【SSシリーズ】直線強襲!村上弟、G1連覇!!

[ 2010年5月6日 06:00 ]

12R決勝、優勝した村上博幸(右)は兄・義弘の祝福を受け笑顔を見せる

 村上弟のG1連覇だ。「SSシリーズ風光る2010」の決勝戦は5日、静岡競輪場で行われ、村上義弘のまくりに乗った村上博幸(31=京都・86期)が追い込んで優勝。3月の松戸ダービーに続く2度目のG1タイトルをつかんだ。賞金2490万円(副賞含む)を獲得し、今年の取得賞金額は1億円を突破。2着は逃げ粘った武田豊樹で2車単(5)―(4)6890円(33番人気)の決着だった。

 松戸ダービー王の村上博が逃げ粘る武田とまくった兄・村上義を直線で差しきってG1連覇を飾った。決勝戦は今年7回目(通算10回目)の兄弟連係で迎えた。「兄に“オレのレース勘に任せろ”と言われただけで作戦はなかった」。村上博はいつものように偉大な兄の背中を追い、そして後輪だけに集中した。
 「松戸ダービーは無我夢中だった。しかし(G1を)1本獲ったことで落ち着いて走れた。今年は兄と走る機会が多いので感情を出さないように冷静に走れるようになった」。精神面でひと回り成長した村上博は直線に入ると冷静にコースを見つけて、「外を踏んで伸びたことが自信になった」と語る直線強襲劇を演じた。
 10回の兄弟連係で村上博は2勝目を挙げたが、その2勝がともにG1決勝戦の舞台というのが“村上兄弟”の強いきずなであり、勝負強さを感じさせた。
 この優勝で今年の取得賞金額は1億1260万円となり、村上博自身初の1億円プレーヤーになった。5月5日時点での1億円突破は山田裕仁が持つ3月23日(03年)、3月24日(02年)に次ぐ3番目のスピード記録。「1億円に対する実感はありません。まだまだ試行錯誤していくこともあるけど、一戦一戦のレースに集中していくだけです」。村上博の向上心は兄譲りだ。
 レース終了後に兄が「弟も強くなった。(弟は)追い込みとしてタテもあるし、さばきもできる。今は追い込みとしてトップ」と称賛した。その言葉こそが今の村上博の地位を的確に表している。

 ◆村上博幸(むらかみ・ひろゆき)1979年(昭54)4月15日生まれの31歳。京都府出身。私立花園高卒。01年8月プロデビュー。通算成績は695戦173勝。通算取得賞金は3億5360万円。主な優勝は第63回日本選手権(10年)、SSシリーズ風光る(10年)。師匠は兄・義弘。1メートル67、73キロ。血液型O。

 <1番人気不発…>1番人気(2車単で伏見―成田の(9)―(7)11・0倍)に支持された伏見は山崎がまくり不発になり、共倒れの7着に敗れた。直線は大外を踏んだが「道中で何度かバックを踏んだ分、脚がたまらなかった。最後も伸びなかった」。大勢の報道陣に囲まれている村上義を遠くに見つめて「勢いがある近畿勢を何とかして止めたかった。山崎君に前を任せている以上は仕方がない…」と話し、悔しさをにじませた。

 ▼武田豊樹(2着)先行しても戦える自信があったので先行した。2着は悔しいがレースは支配できた。
 ▼村上義弘(3着)山崎君と位置がかぶっていたし、強引に行きすぎた。
 ▼神山雄一郎(4着)みんなが強かった。6番車以上の動きはできたと思う。
 ▼加藤慎平(5着)最後の直線は神山さんに当たって中を割ろうと思ったが…。
 ▼成田和也(6着)余裕はあった。コースをつくって行けるようにならないと。
 ▼海老根恵太(8着)予想以上に山崎君の巻き返しが早くて…。情けない。
 ▼山崎芳仁(9着)打鐘で海老根さんが遅れた分、仕掛けるタイミングがずれた。

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2010年5月6日のニュース