【NHKマイルC】メイゲツ“野生味”取り戻せ

[ 2010年5月6日 06:00 ]

 【G1ドキュメント・NHKマイルC=5日】調教スタンドに陣取った浜田は、双眼鏡越しに鮮やかな赤白の厩舎服を追っていた。田村厩舎のニシノメイゲツ。調教パートナーはダートのオープンを2勝しているイブロン。稽古駆けするベテラン8歳だが、3歳メイゲツも負けていない。ポリトラックの直線は、馬体をびっしり併せての追い比べ。脚色はイブロンが勝っていたが、メイゲツも1完歩ごとに差を詰めて併入に持ち込んだ。

 すぐにスタンドの階段を駆け下りて田村師のもとへ。動きを見届けたトレーナーは満足そうに切り出した。「イブロンはやればいくらでも動く馬。骨っぽい相手だったが、よく食い下がっていた」。これまでの直前追いは軽めにとどめてきたが、今回はハードな攻めに転じた。師が理由を説明してくれた。「以前は、乗り手を振り落としたり、まっすぐ立ち止まれなかったりと、気性がきつかったが、最近は落ち着きすぎている。賢い馬なので、いろいろなことを教え込んだら優等生になってしまった」。直前にあえて気合をつけたのは、なりを潜めてしまった荒々しさを呼び覚ますため。レースではチークピーシズを装着して、さらに集中力を高める作戦だ。
 「能力がないわけじゃないのに、出し惜しみしている感じ。2連勝の後、状態はいいのに結果が出ていないが、こんな馬ではないと思っている。相手どうこうではなく、自分の力を発揮できるかどうか…」。闘争心を取り戻せば、軽視はできない1頭だ。

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2010年5月6日のニュース