【かしわ記念】エスポワール史上初G1・5連勝

[ 2010年5月6日 06:00 ]

佐藤哲三騎手はエスポワールシチーで1着となり連覇を達成

 交流G1「第22回かしわ記念」が5日、船橋競馬場で行われ、単勝1・1倍の圧倒的1番人気に推されたエスポワールシチー(牡5=安達)が地元の雄フリオーソを1馬身半抑え、G1初Vを飾った昨年に続き連覇を達成。同レースからG1・5連勝を飾った。秋は米国競馬の祭典ブリーダーズCクラシック(11月6日、ダート10F、チャーチルダウンズ競馬場)に参戦予定で、帝王賞(6月30日、大井)は見送り、夏場は充電を図る方針だ。

 さすがはJRAが誇るダート界の至宝。エスポワールシチーの強さは抜けていた。2月フェブラリーSから間隔が空いた不安もどこ吹く風。悠々と3番手を奪い、直線は前のフリオーソとの一騎打ち。力任せに1馬身半ねじ伏せ、悠々とゴールに飛び込んだ。雨の中でG1初制覇を飾ったかしわ記念から1年。間に他のレースを挟まない「G1・5連勝」は史上初の快挙だ。
 大観衆の「哲三!!」の祝福に、佐藤は笑顔でお立ち台に上がった。遠征計画もあった3月ドバイワールドCのメイダン競馬場のオールウエザーを嫌い、国内に備えた以上は「敗戦」の2文字は許されなかった。「間隔が空いたこともあって、いつもの落ち着きもなかったし、道中の手応えも一息。それでも4コーナーで気合を入れたら、しっかりと反応した。G1・5連勝?本当に凄い馬。仕上がり途上の段階で勝ったことは自信にもなる。1年間で特に変わったと思わないけど、実績と経験が今の強さにつながっていると思う」。
 国内では敵なし。思い出の船橋でカネヒキリを競り落とした昨年以上の強さを誇示した今、次の目標は世界制圧だ。友駿ホースクラブ愛馬会の塩入満洋代表はブリーダーズCクラシック参戦を高らかに表明した。「きょうは本調子ではなかったと思うけど、よく勝ってくれた。秋はブリーダーズCクラシックに行きたい。チャーチルダウンズのダートにならす必要もあるし、ポンと行って勝てるほど甘くない。1カ月前に前哨戦を使うことも考えているし、しっかり研究したい。そうなると、帝王賞は見送って、夏は休養に充てることになると思う」。同代表は指針を明かした。
 佐藤にとっても、同じ勝負服でG1・2勝を積み重ねたタップダンスシチーで果たせなかった海外G1優勝は大きな夢。「僕もまだ海外は極めてないので…。そこまでは連戦、連勝で行きたい」。無敵の進撃続行で、米国に殴り込みをかける決意だ。

 ◆エスポワールシチー 父ゴールドアリュール 母エミネントシチー(母の父ブライアンズタイム)牡5歳 栗東・安達昭夫厩舎所属 馬主(株)友駿ホースクラブ 生産者・北海道日高町の幾千世牧場 戦績19戦11勝(南関東2戦2勝)総獲得賞金5億4777万円5000円。

 ◆売り上げレコード かしわ記念の売り上げは7億9118万5000円で船橋競馬場1レースあたりの売り上げ歴代最高額となった。従来のレコード(09年かしわ記念)を5576万1400円更新。

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2010年5月6日のニュース