【阪神JF】蛯名 “お騒がせ女王”に「僕もハラハラ」

[ 2009年12月13日 16:39 ]

 前走・赤松賞をレコード勝ちで勝った実力はダテじゃなかった。デビューからアパパネの手綱を握る蛯名は「思った以上に前走が強かった」と想像以上の能力を秘めていたことを明かす。この時から手応えをつかみ「かなりやれるんじゃないかという期待は抱いていた」という。

 枠順は大外18番。最後のゲート入りとなったが嫌がってなかなか入らない。「いつもとは違う人がゲートに入れたから馬もびっくりした。僕もハラハラした」と鞍上も苦笑い。優勝インタビューでも「ゲートだけスムーズに入ってくれれば」と注文をつけた。

 それでもゲートを出れば話は別。蛯名が「いの一番に出て行っちゃった」と驚くほどの好スタート。「思いのほかスムーズに行けて、内側にもぐっていけた」と折り合いに専念するため馬群の中に入れると、前走で見せた上がり3F33秒6の破壊力抜群の末脚を信じて直線に懸けた。

 しっかり折り合いがつき「これなら脚使ってくれるだろうなと思った。ゴーサインを出せばいつでも動けそうだった」と確かな手応えを感じた。直線に入ると、内めにぽっかりと空いたスペースに切れ込み突き抜けた。

 3連勝で世代の頂点に立った。「精神的にチャカチャカしてるようだけど、どしっとしてる部分があってオンナ馬にしてはしっかりしている」。蛯名は気性面の成長を高く評価する。7月のデビュー戦は3着。その後、放牧に出されたことで「まだひ弱だったが、肉体的にも精神的にも馬がよくなった」という。

 この日はおてんばな一面を見せた荒削りな新女王は来年のクラシックまで更に進化を続けそうだ。

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2009年12月13日のニュース