【秋華賞】またも壮絶追い比べ!!ディザイアついに戴冠

＜秋華賞＞レッドディザイアとブエナビスタは同じ動きでゴール板へ向かう

　ラスト１冠に懸ける執念が実った。牝馬３冠最終戦の秋華賞は２番人気レッドディザイアが優勝。２冠馬ブエナビスタに鼻差競り勝ち、悲願のＧ１初制覇。桜花賞、オークス２着の雪辱を果たした。史上３頭目となる牝馬３冠を狙ったブエナビスタは４コーナーで外側に斜行し、２位に入線したものの３着に降着。３位入線のブロードストリートが２着に繰り上がった。

　またも一騎打ち。内か外か。壮絶な追い比べとなったゴール前、レッドディザイアが残された力をすべて振り絞った。外から迫るブエナビスタを鼻差しのいでゴールへ。３着降着となったライバルについに先着を果たし、秋の３歳女王のタイトルを手にした。四位が笑顔でレースを振り返る。「うれしいですね。直線はまた相手が来ていたし、どうなるかと思ったけどホント良かった」
　陣営が一丸となってつかんだ勝利だった。桜花賞、オークスともブエナビスタの２着。その分厚い壁を打ち破らないことには道は開けない。秋初戦のローズＳで２着に敗れ、この中間はさらに調教を強化。積み重ねてきた鍛錬の成果は馬体重マイナス１４キロという数字に表れていた。四位は「スタッフがこん身の仕上げをしてくれて、いい形でバトンを渡されたので、あとは自分が誘導するだけ。強気に攻めの競馬をしようと思っていたし、馬もそれに応えてくれた」。中団追走から徐々にポジションを上げ、直線では手応え通りの末脚を駆使。まさに人馬一体の走りだった。
　松永幹師にとっては０７年春の厩舎開業後、うれしいＧ１初制覇。春に悔しさを味わった分、表情には喜びがにじみ出ていた。「前走（ローズＳ）で負けたからこそ、今回は稽古をしっかりやれた。スタッフがよくやってくれたし、四位がうまく乗ってくれた。いつかは負かしたい相手だと思っていたからね」
　最高の結果で締めくくった牝馬３冠最終戦。だが、戦いは続いていく。次走に関しての話題になると松永幹師は表情をキリッと引き締めた。
　「オーナーと相談してからになるけど僕自身はブエナビスタが使うレースに使いたい。もう１回勝たないと３歳のチャンピオンにはなれないからね。勝って並びたい」。ライバルとはこれで１勝２敗。春の借りはまだ返し切っていない。松永幹師は喜びに浸る間もなく、早くも再戦の舞台を見据えていた。
　▼レッドディザイア　父マンハッタンカフェ　母グレイトサンライズ（母の父カーリアン）牝３歳　栗東・松永幹厩舎所属　馬主・東京ホースレーシング　生産者・北海道千歳市社台ファーム　戦績６戦３勝　総獲得賞金２億３２４３万４０００円。