ブエナ逆転ののろし!ジェルミナル/フェアリーS

[ 2009年1月12日 06:00 ]

<フェアリーS>ジェルミナル(左)が2着アイアムネオ(右)以下を抑え快勝

 マイル戦に衣替えした中山競馬場の「第25回フェアリーS」はジェルミナルが1番人気に応えて快勝した。

【フェアリーS


 1度は失いかけた“挑戦権”を、ジェルミナルが再び手に入れた。「最終的にはブエナビスタを目標にやっていかないとね」。レース後、藤原英師はためらうことなく阪神JFで敗れたライバルの名を口にした。

 終わってみれば力が違った。好スタートから無理することなくインの絶好位を追走。しっかり折り合って脚をためた。「最内枠だったので、うまくさばくことだけ考えた。直線は狙った通りのところが1頭分、空いた」と福永。内から3頭目にできたスペースを突くと、あとは楽々と抜け出した。最後は手綱を抑える余裕の勝利。福永は「思った通りの末脚。いい勝ち方だった」と目を細めた。

 阪神JFの敗戦を糧にした。当時は2番人気に推されながら、外枠からやや強引に好位を取りにいったのが裏目に出て6着。しかし、あれが実力でないことを証明した。阪神JFで10キロ減った馬体はまた4キロ減ったが「(重賞では1、2着馬に与えられる)収得賞金を加えるチャンスは、これが最後と思っていた」と師。理想のローテーションで春に臨むため、万全の仕上げで必勝を期した。

 今後はひと息入れ、ステップレースを使って桜花賞(4月12日、阪神)を目指す。「馬体がどれだけ成長するか。まだ若いから(各馬に)どれだけの成長度があるか分からない。(ブエナビスタも)まだウオッカやダイワスカーレットではないからね」。師が逆転を見据えれば、福永も「まだまだこれからの馬。期待していてください」と手応えを膨らませた。

 馬名「ジェルミナル」はフランス革命直後に使われたフランス革命暦の「芽の月」のことで、現在の3~4月に当たる。ジェルミナルが春に大きく芽吹いたとき、1強体制のブエナビスタは革命の嵐にのみこまれるかもしれない。

 ▼ジェルミナル 父アグネスタキオン 母オンブルリジェール(母の父ダブルベッド)牝3歳 栗東・藤原英厩舎所属 馬主・社台レースホース 生産者・北海道千歳市社台ファーム 戦績5戦3勝 総獲得賞金5560万5000円。

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2009年1月12日のニュース