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重岡優大 7回KOで無傷7連勝!世界初の兄弟同日同階級での世界王座獲得「もうすでに反省モード」

[ 2023年4月16日 20:55 ]

プロボクシング・IBF世界ミニマム級暫定王座決定戦12回戦   〇同級3位・重岡優大―同級7位ウィルフレド・メンデス● ( 2023年4月16日    東京・代々木第2体育館 )

<3150FIGHT vol.5 WBC世界ミニマム級暫定王座決定戦 12回戦 ウィルフレッド・メンデス・重岡優大>5R、相手のダウンを奪った重岡優大のパンチ(撮影・西海健太郎)
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 WBC世界ミニマム級3位の重岡優大(26=ワタナベ)が同級7位ウィルフレド・メンデス(26=プエルトリコ)を7回KOで破り、プロデビューから7連勝で世界王者となった。同じ興行で弟の重岡銀次朗(23=ワタナベ)もIBF世界ミニマム級暫定王者となっており、兄弟による同日世界王座獲得は国内初。同階級における兄弟の同日世界王者は世界初となった。

 序盤は細かいパンチとボディーをしっかり当てつつ、冷静に試合を進めた。第5ラウンドには、アッパーに左ストレートと攻撃のバリエーションを増やして圧をかけた。すると、終了間際に左ストレートでダウンを奪った。これで勢いに乗った。第6ラウンドでギアを上げて攻勢に出ると、第7ラウンドに強烈左ボディーでメンデスをマットに沈めた。

 試合後のリング上でのインタビューで世界初の兄弟同日同階級での世界王座獲得について聞かれると、「ちょっと言い訳させてください」とし「銀があんな熱い試合して、俺、控え室で泣きそうになってて試合どころじゃなくて。本当はもっとバチバチにやりたかったけど、ちょっと俺ウルウルきてた。すいません」と笑った。

 「緊張とプレッシャーがあるのはわかってた。それすらも楽しもうと思っていた」と振り返りつつも「僕的にはもうすでに反省モードに入ってる。もっとうまくやりたかった。これからの課題」と慢心する様子は全くなかった。

 そして「小さい頃から一緒に格闘技始めて20年くらい経つ。コイツ(銀次朗)が横にいなかったら俺はここに立っていない。これからも重岡兄弟2人で一緒に横になって、どっちが前とか後ろとかじゃなくて、2人で一緒に行けるところまで行ってやろうと思う」と弟・銀次朗に感謝しつつ、今後の意気込みを語った。

 この日26歳の誕生日を迎えた兄が、弟に続いた。亀田3兄弟、井上兄弟に続く国内3例目の「兄弟世界王者」を、重岡兄弟がプロ7戦目と9戦目で達成。先に世界挑戦したのは銀次朗だったが、1月のIBF世界ミニマム級王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)戦は偶然のバッティングで無効試合に。「弟が先にプロに入ったので(先に世界戦を戦うのは)妥当と思うし、2人が世界王者になる日はいつか来ると思っていた。2人でならないと意味がないし、2人で同時に世界戦ができるならその方がよかった」。偶然の巡り合わせが、世界でも類を見ない「兄弟同日同階級世界王座獲得」を実現させた。

 優大は当初、WBC世界ミニマム級王者パンヤ・プラダブシー(タイ)に挑戦予定だったが、王者のインフルエンザ感染により試合12日前に中止。メンデスとの暫定王座決定戦が正式に決まったのは試合の6日前だった。「運が悪かったけど、自分ではどうしようもないこと」。気持ちは落ちかけたが、練習の量や質が落ちることはなかった。真摯な練習態度は、保育園で始めた空手で身についた。「格闘技の基礎になった。武道なので、練習に向かい合う気持ち。練習をサボることも抜くこともなかった。空手がなかったら、ここまで来てなかった」と明かした。

 小6からはボクシングにも並行して取り組んだが、当時については「思い出したくもない」という。兄弟は、小柄でも格闘技で活躍してほしいと願う父・功生さんから、過酷なトレーニングを毎日課されていた。学校から帰ると公園の坂道や階段を駆け上がるよう命じられ、週3回は空手道場へ通い、残り4日は自宅の車庫を利用した練習場でサンドバッグやミット打ち。毎週土曜日には室内競技場で手押し車やうさぎ跳びに取り組み、優大は膝を痛めて手術を受けたほどだった。夜は格闘技のビデオを見せられるなど、寝るまで格闘技漬けの生活。「寝るのが遅かったから、俺たちは小柄なんですよ」。優大は苦笑したが、「その時から“これで世界王者になれないならヤバいっしょ”と思っていた。俺たちがならなきゃ、他になるヤツはいなくない?みたいな。そう思っていたので、負ける気はしないっす」。当時から兄弟で励まし合い、苦境を乗り越えてきた。兄弟同時世界王者は「俺らの生きざま」の現れだった。

 ともに世界王座を獲得したものの、あくまで「暫定」。優大はパンヤと、銀次朗はバラダレスとの団体内王座統一戦で正規王者昇格を目指す。正規の世界王者を名乗るのは、もちろん兄弟同時にだ。

 ▼兄弟同日世界王者 ジミーとジョニーのブレダル兄弟(デンマーク)が1992年9月4日に地元コペンハーゲンで達成。兄ジミーはWBO世界スーパーフェザー級王者ダニエル・ロンダ(フランス)に2―0で判定勝ち。弟ジョニーはWBO世界スーパーフライ級王者ホセ・キリノ(メキシコ)を2―0判定で破った。身長では1メートル73のジョニーが1メートル71のジミーよりも高かったが、階級は兄の方が4つも上だった。

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