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「天心VS武尊」19日ビッグマッチ フジ放送中止 異例の事態の裏側

[ 2022年6月1日 05:30 ]

フジテレビの那須川天心(左)と武尊(右)の試合が放送中止に。中央は榊原信行氏
Photo By スポニチ

 フジテレビは31日、東京ドームで19日に行われる格闘技界注目のイベント「THE MATCH 2022」の放送を取りやめると発表した。公式サイトで「主催者側との契約に至らず、フジテレビで放送しないことが決まりました」と報告。那須川天心(23)と武尊(30)のビッグマッチなどが予定されていただけにファンの間に衝撃が走った。

 今回の決定に同局は「諸般の事情を総合的に考慮した結果」と説明。スポーツ中継に詳しい関係者は「綿密な交渉を重ねてきた中、突然テレビ局が降りるというのは極めて異例。よほどの事情があったのでは」とした。

 撤退劇の端緒は、格闘技イベント「RIZIN」を巡る反社会勢力とのつながりを指摘する報道だった。今大会の実行委員を務める榊原信行氏(58)が手掛ける「RIZIN」の関係者に、反社会勢力と関わりのある人物がいると「週刊ポスト」で報じられていた。

 この日夜、フジの中止発表を受け、実行委員会が都内で緊急会見を実施。榊原氏は「反社チェックは関係各位に行われました」と疑惑を否定。その上で「(フジの)一方的な決定だった。何が最終的な原因か明確なものはない」と主張。ネット上で「放映権料で折り合いがつかなかったのでは?」などの声も上がっていたが、榊原氏は「経済的な条件が理由ではない。週刊ポストの報道があったからだろう」と推察した。

 スポニチ本紙の取材では、榊原氏は地上波での中継にこだわっており、1週間ほど前から同局に「自分がいてネガティブな印象になるのであれば(運営から)降りる」と申し出ていた。フジ側も大会に関係する他の企業を窓口に放送の道を模索していたが「興行でトラブルが発生した際に榊原氏がいない中で全てのことに対処するのは不可能。責任を負うことができないと判断し、放送をすることを見合わせた」(格闘技関係者)とした。

 榊原氏は会見で「今からでもフジテレビで地上波放送を目指したい」と心境を吐露。試合自体は「ABEMA」のペイ・パー・ビュー(PPV)で中継されるが、こちらは有料となる。この日、那須川は自身のSNSで「お金の為(ため)じゃねえんだよ 未来の為にやってんだよ 子供達はどうすんだよ」と怒りをあらわに。武尊も「この試合の意味を分かってほしい。まだ諦めません」と投稿。大会は予定通りに開催されるが、今後の動向に注目が集まる。

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2022年6月1日のニュース