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プロレスラー・上谷沙弥 元アイドルからチャンピオン 「時代を動かす」

[ 2022年1月25日 09:07 ]

「ワンダー・オブ・スターダム選手権(白いベルト)」チャンピオンの上谷沙弥(C)スターダム
Photo By 提供写真

 【牧 元一の孤人焦点】ファンに夢を与えてこそ、プロレスラーであり、チャンピオンである。だから、この発言を肯定的に捉えたい。

 「飯伏さん、どちらのフェニックス・スプラッシュが最強か、勝負していただけませんか!?」。飯伏とは、「新日本プロレス」で戦う飯伏幸太(39)。フェニックス・スプラッシュとは、コーナーポストから回転して相手に落下する大技。発言者は、「STARDOM(スターダム)」で戦う上谷沙弥(25)だ。男女対決は極めて異例だが、本人同士が合意し、それぞれの団体が許可すれば実現できる。

 オンライン取材に応じた上谷はこう話す。

 「夢を抱いていたので、覚悟を持って発言しました。飯伏選手は、私がまだ練習生だった時、プロレスの世界観を変えてくれた、あこがれの選手です。男女が戦うことには賛否両論があると思いますが、私はベルトを取ったので、新しいことにどんどんチャレンジしていきたい。時代を動かしていかなければいけない。そう思っています」

 昨年12月29日に東京・両国国技館で、中野たむを破り、「ワンダー・オブ・スターダム選手権(白いベルト)」を獲得。今年1月5日に東京ドームで行われた新日本プロレスの大会に参戦し、試合後、「このリングで夢がひとつある」と、飯伏戦への思いを口にした。

 過去にプロレスで女性と男性が戦った例としては、2000年の神取忍対天龍源一郎戦などがある。

 「体格差があるので、ボコボコにされるとは思います。どうしたら力負けしないか…。でも、私は飯伏選手の試合をよく見ているので、使う技を把握しているし、自分と使う技が似ているので、飛びまくる試合展開に持ち込みたい。本気でフェニックス・スプラッシュ対決がしたい。この試合が実現すれば、時代が動くと思います」

 飯伏は試合中の負傷で欠場中。これまで上谷の発言に対して反応はなく、まずは復帰が待たれるところだ。

 当面の課題は、今月29日に愛知・ドルフィンズアリーナで行われるウナギ・サヤカ戦となる。

 「白いベルトの初防衛戦なので、気合を入れて臨みます。ウナギ選手は、欲望のかたまりという感じ。白いベルトに限らず、いろんなベルトを欲しがっています。私は真っすぐに一つのものだけを見るタイプなので、自分とは正反対で、凄くやりにくい。でも、初防衛戦で上谷沙弥の強さを皆さんに見ていただかないといけないので、相手の技を受けきった上で、倒します」

 夢だったアイドルの道から離れ、プロレスラーを志してから約3年。アイドルとしてセンターポジションに立つことはできなかったが、今はチャンピオンとしてリング中央に立つことができる。

 「ずっと『私が未来のスターダム』と叫んできて、白いベルトを取って、やっとスターダムになれました。ある意味で、アイドルで果たせなかった一つの目標をプロレスで果たす形になりました。白いベルトは、プレッシャーを感じるものというより、私を強くしてくれる武器。これからもっと強くなって、今までになかったことをどんどん実現させていきます」

 その夢の一つが飯伏戦だ。プロレスを長く見てきた者の1人として心が躍る。

 ◇上谷 沙弥(かみたに・さや)1996年(平8)11月28日生まれ、神奈川県出身の25歳。2014年、バイトAKBのメンバーに。18年、スターダム★アイドルズに加入。19年、スターダムのプロテストに合格。昨年、シンデレラ・トーナメントで優勝。身長168センチ、体重58キロ。

 ◆牧 元一(まき・もとかず) 編集局デジタル編集部専門委員。芸能取材歴30年以上。現在は主にテレビやラジオを担当。

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