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加納陸が逆転TKOで初防衛「経験を生かせた」 WBOAPライトフライ級タイトルマッチ

[ 2021年7月23日 17:39 ]

逆転TKOで初防衛に成功した加納陸
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 WBOアジアパシフィック(AP)ライトフライ級タイトルマッチが23日、エディオンアリーナ第2競技場であり、王者・加納陸(23=大成)が9回2分12秒、TKOで同級1位の挑戦者・栄拓海(27=折尾)を下し、初防衛に成功した。

 8回終了時の採点はジャッジ2人が2点差で挑戦者を支持し、残る1人がドロー。それも無理はない。2回にカウンターの右を食らって腰が落ちるようにダウン。5回には右ボディーアッパーを効かされ、踏ん張りきれずに2度目のダウンを喫した。序盤から上下に打ち分けて手数も優勢ながら要所で効かされてベルト喪失の窮地だった。それでも前に出る気持ちの強さを見せ、接近戦で右アッパーも有効に使った。6回以降はコーナーやロープに追い詰めるシーンがたびたび。決着がついた9回はロープ際で連打をたたき込み、レフェリーストップを呼び込んだ。劇的な逆転TKO勝利に頬を緩める。

 「(2度のダウンを喫しても)焦りはなかった。効かされたのは事実だけど、今までの経験を生かせた。(ダウンを奪われ)相手が仕留めに来る。逆にチャンスだと思った。気持ちで、のまれず、のみ返してやった」

 丸元大成会長は「以前より引き出しが増えて対応できた。接近戦で打ち勝てると自信をつけている」と胸をなで下ろした。ライトフライ級で世界ランクはWBO5位、IBF11位につけるが、世界再挑戦を急ぐ考えはないという。「一戦一戦、実力をつけ、キャリアを積んでいかないと。温かい目で見守ってください。この階級で100%の力を出せるのか、本人とも相談していく」。16年8月にミニマム級での世界初挑戦はベテランの高山勝成に、はね返された。それから5年。もっと力を蓄えて2度目の世界挑戦に向かう方針だ。

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2021年7月23日のニュース