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尚弥 年内にも4団体統一戦へ ドネアVSカシメロの勝者との対戦「希望希望希望!!!」

[ 2021年6月21日 05:30 ]

WBA&IBF世界バンタム級タイトルマッチ12回戦   〇井上尚弥 KO3回2分45秒 マイケル・ダスマリナス● ( 2021年6月19日    米ラスベガス )

2本のベルトを肩に掛け笑顔を見せる井上(AP)
Photo By AP

 モンスターが4団体統一へ大きく前進した。プロボクシングWBA&IBF世界バンタム級王者・井上尚弥(28=大橋)は19日(日本時間20日)、IBF1位マイケル・ダスマリナス(28=フィリピン)を3回KOで下し、WBA5度目、IBF3度目の防衛に成功した。観戦したWBC王者ノニト・ドネア(38=同)、WBO王者ジョンリール・カシメロ(32=同)の両陣営は同日、8月14日(同15日)に両者が対戦すると発表。その勝者と対戦する形で、井上が熱望する4団体統一戦が年内にも実現する可能性が出てきた。

 キャンバスに横たわり、もん絶する挑戦者を一瞥(いちべつ)すると、軽く左手を上げ、涼しい顔でコーナーへと引き揚げた。破壊力満点の左ボディーで3度のダウンを奪い、聖地ラスベガスのファンに強烈なインパクトを残したモンスターの“勝利の儀式”は、それだけだった。

 「今回は相手のダスマリナスうんぬんではなく、ラスベガスの期待感と、ドネアとカシメロが見にきている中で、どう自分を出し切るかが課題だった」

 視線の先にあるのは4団体統一。その対象となるドネアとカシメロが観戦したことに加え、井上にとって発奮材料となるニュースが飛び込んだ。

 ドネア、カシメロ両陣営が8月14日にカリフォルニア州カーソンで王座統一戦を行うと発表。ドネア自身もSNSで発信し、試合前には報道陣に「カシメロと私のベルトを統一するプラン。その勝者が井上と統一戦を行う」と明言した。

 当初、カシメロはWBA正規王者リゴンドーとの対戦が発表されていたが、ドネアがWBC王座を獲得したことで情勢が変化。カシメロが契約するMPプロモーションズのショーン・ギボンズ氏は「彼の夢は全てのタイトルを統一すること。その夢を実現するため、まずリゴンドーではなく、WBCタイトルを狙う」と説明した。

 井上は次戦でドネアかカシメロと対戦し、「来春には4団体統一」の構想を抱いていたが、両者の勝者との対戦なら1試合で済み、時期的にも年内が可能となる。通過点とばかりに指名試合に勝利した井上は試合後、自身のSNSに「本当の勝負。ドネアVSカシメロの勝者と4団体統一戦を希望希望希望!!!」と投稿した。

 大橋秀行会長は「やっぱり尚弥は持ってますよ」と統一戦への流れを歓迎。次戦は「未定です」としたが、「8月14日は見にこなきゃいけない」と、井上を観戦させることも示唆した。一気に動きだしたバンタム級統一戦線。モンスターの野望実現の日が確実に近づいていることを、世界に知らしめる一日となった。

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