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恒成、油断禁物 対戦者トロハツが公開練習 名伯楽ディアス氏不気味「穴ある」

[ 2019年12月29日 05:30 ]

WBO世界フライ級タイトルマッチ 王者 田中恒成《12回戦》同級11位 ウラン・トロハツ ( 2019年12月31日    大田区総合体育館 )

ディアス氏(左)を相手にシャドーボクシングをするトロハツ(撮影・中出健太郎)
Photo By スポニチ

 WBO世界フライ級王者・田中恒成に挑戦する同級10位ウラン・トロハツが28日、都内のジムで公開練習を行った。世界初挑戦のため6週間前からキューバ人の世界的トレーナー、ペドロ・ディアス氏に師事し、独特の練習メニューを披露。中国最西端の新疆(しんきょう)ウイグル自治区出身のカザフ族で、故郷に初のベルトを持ち帰ることを誓った。

 グローブはつけなかった。トロハツはシャドーボクシング後、リング内でディアス・トレーナーが左右に投げ分けるボールをつかむ練習や、ジャンプしながら回転したり両手を広げて“Tポーズ”を決める、独特のメニューに取り組んだ。「ワクワクしている。早く試合がしたい」。表情は変わらなかった。

 ディアス氏は五輪金メダリスト20人以上を育て、プロでもリゴンドー(キューバ)やコット(プエルトリコ)ら世界王者を指導した名トレーナー。WBA世界ミドル級王者・村田諒太(帝拳)と2度対戦したエンダム(フランス)を率いたほか、今年1月には徐燦(中国)をWBA世界フェザー級王者に導いた。トロハツの劉剛マネジャーを92年バルセロナ五輪時に指導した縁もあり、3階級制覇王者に挑む世界戦のトレーナーを快諾。トロハツを「凄くクレバーな選手」と評し、「田中はとても優れた選手だが穴はあると思う」と不気味に指摘した。

 トロハツは新疆ウイグル自治区の人口約2500万人のうち、約6・5%にすぎないカザフ族。幼少時はとても貧しく「生活を変えるために」ボクシングを始め、プロになって家族のために家を建てたという。デビューから5戦目までに3敗したが17年以降は無敗。日本人には3勝1分けだ。「人生の中でも重要な試合。田中は偉大な王者だが最高のチャンスと思っている」。少数民族の星が、名伯楽を従えて番狂わせを狙う。

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2019年12月29日のニュース