【亀田興毅 6・22那須川天心戦への思い(下)】最後に見せる!自分にしかない“カリスマ性”
ボクシング元世界3階級王者の亀田興毅氏(32)がキックボクシングの“神童”那須川天心(20=TARGET/Cygames)と対決する「AbemaTV3周年記念1000万円シリーズスペシャルマッチ」(後7・00~、AbemaSPECIAL2チャンネル)がいよいよ、あす22日に行われる。今回、決戦を目前にスポニチアネックスのインタビューに応じた亀田氏。最後の戦いに向け“ナニワの闘拳”が吠えた。
――現在のコンディションはいかがですか?
「良いも悪いもないですよね。それなりに仕上げますよ」
――前回のポンサクレック戦も試合間隔が開いていましたが、気持ちの面で違いはありますか?
「全然違いますね。前回は最終的にはエキシビションマッチにはなってしまいましたけど、プロ公式ルールに準じてJBC認可のリングで戦って、その試合が終わればもう1回ローマン・ゴンザレスと戦いたいという考えもありましたから、次に繋がる試合をしようと思っていました。なので“ボクサー亀田興毅”のこれからを考えたトレーニングをしていました。でも、今回はこれで終わりです。その前に元々終わっているのに、もう1回リングに上がるって話だから、調整面を含めて違います」
――現役最前線の那須川選手と戦うために特別な練習やトレーニングは?
「体重差があるからパワーでは勝てないと思うんですけど、パワーで差がないようにご飯をたくさん食べていますし、筋トレもしていますよ」
――これまで筋トレはやっていなかった?
「やってなかったです。『ボクシングに筋トレは必要ない』みたいな意見など賛否両論ある。でも今回は、パワーが必要。自分が戦っていたボクシングの階級で戦うならパワーは必要ない。スピードを使ったり戦術を考えて、とにかく勝つことだけを考えて戦います。でも今回は違う。短いラウンドの勝負になるでしょうし、相手も階級的に上。そして倒さないと1000万円ももらえない。潰しにいかないといけないから、パワーをつけて真っ向から打ちにいきますよ」
――那須川選手と真っ向勝負は見応え十分。
「ボクシングの技術では差があると思うけど、それでは面白くないですよね。俺はテクニックを使った上手いボクシングをします。天心選手くらいのレベルなら十分さばけると思いますよ。でも今回は、見ている人たちに面白い試合を、と思ったら今までの亀田興毅スタイルではダメなんですよ。それだと面白くないですし、戦う意味もない。だからパワーをつけて、体を少しでも大きくして戦うだけだと思います」
――今回の試合は初めて増量して臨む試合になります。減量する時と違って大変なことや気持ち的に違う部分はありますか?
「もっと簡単に体重が増えると思ったんですけど、思ったよりも体重が増えないのがちょっと大変ですね。無理に増やそうとすると逆に重たくなるので、自然体で臨もうかなと思います」
――今回の試合に向け、長く禁酒してきたそうですね。辛くはなかったですか?
「全然辛くないです。かれこれ1カ月半ぐらい酒を抜いている。1滴も飲んでないですけど、気分的な問題ですよ(笑い)。飲んではいけないという期間があるのが鬱陶しい。その分、試合が終わったらパァ~と飲んでやろうかなと思います」
――現役時代は身体のことを考えて試合後も禁酒していた。
「試合後1週間から10日間ぐらいは禁酒をしていました。なぜかというと、試合に向けて減量など追い込んでいるので、試合が終わった瞬間に酒を入れると吸収率が高い状態で、アルコールを吸収すると脳や筋肉にもあまり良くない。でも、これは自分の考えなので、試合が終わってすぐ飲んでいる選手もいるかもしれないですけど」
――今回の試合後は?
「この後がないから関係ないです。とにかく結果関係なく、最終ラウンドのゴングが鳴った瞬間にリングで酒を飲んでやろうと思っています(笑い)その時点でもう終わりなわけだからね。『試合が終わった時にリングに酒を用意しとけ』って言ってやろうかなと思っています」
――お酒は何が好きなんですか?
「ウィスキーですね。ロックで飲んだりします。でも試合が終わってリング上でウィスキーは渋すぎるので、リング上で飲むとしたらビールかハイボールになると思います。ハイボールかな(笑い)」
――リング上で飲んだら最高に盛り上がりそうです。
「なかなかそんなことする人はいないと思いますけど、AbemaTVならできるんじゃないかな(笑い)」
――天心選手もビックリするでしょうね。
「20歳の天心選手の前でそんな姿を見せるのは良くないかもしれないですけどね(苦笑)。とはいえ、試合に対しては真剣にいきますよ。亀田興毅という看板を背負って生きていますからね。カッコイイ凄さを見せてやろうと思います。でも、自分の時代はもう終わってますからね」
――そんなことないと思います。
「いや、過去のおっちゃんにすがりつくような格闘技界も寂しいもんですよ。格闘技界も天心選手や武尊選手、ボクサーだと井上尚弥選手みたいに新しいスターを作ってもらわないといけないですよね。井上尚弥選手はちょっと別格ですし、群を抜いて強いですからね」
――亀田選手から見ても井上尚弥選手は別格なんですね。
「五輪競技にもなっているボクシングというスポーツであれだけの実績を残している素晴らしいファイター。あとは弟の和毅も含めて個性派揃いで、これからの時代を作っていくファイターがたくさんいる。そこで何でいつまでも俺がいるの?って話なんですよね。だからここらへんで線引きだけしておこうと思っています」
――那須川戦では「ボクシングの厳しさを教える」とコメントしていましたが、ボクシング元世界王者として圧倒的な差を見せたいですか?
「やっぱりボクシングだと亀田興毅の方が上だなという所は見せていきたい」
――しっかりとファンの期待に応える。
「見ている人たちが興奮する試合をします。リングに上がった瞬間に『やっぱり亀田興毅って役者が違うな』『仕上げてきたな』って姿をちゃんと見せますよ。それが亀田興毅が持っているカリスマ性ですよ。俺しか持っていないもの。それを今の格闘技界の全員に見せたいと思っています。見ている人たちを一気に惹きつけますよ。自分の入場曲である『バーニングハート』が流れた瞬間にサーバーがパンクしますよ!(サイバーエージェントの)藤田社長へ言っておきますが、サーバーの強化をしておいてください(笑い)」
――リングで那須川選手がちょっとかすんで見えるぐらい?
「ちょっとじゃないよ。亀田興毅が天心の前に立ったらもう天心のオーラは見えないよ。それぐらいのものを見せますよ」
――最後に試合を楽しみにしているファンにメッセージを。
「時代が平成から令和に変わり、自分的には令和で亀田興毅は必要ないかなと思う所もあります。しぶとく令和でも亀田興毅は現れてしまったけど、亀田興毅以上のファイターになろうとする子たちが今後たくさん現れるよう、令和元年に最後の爪跡を残そうと思っています。これで綺麗さっぱり格闘技界から去ります。もう終わりです。亀田興毅というものを全て見て、それぞれが色んなものを感じてもらえたらいいなと思います」 (終わり)
◆亀田 興毅(かめだ・こうき)1986年(昭61年)11月17日生まれ、大阪府出身の32歳。03年12月プロボクサーデビュー。06年8月WBA世界ライトフライ級王者を獲得。09年11月WBC世界フライ級王者を獲得し2階級制覇。10年12月WBA世界バンタム級王者を獲得し3階級制覇。15年10月現役引退。18年1月インターネットテレビ局「AbemaTV新春ボクシング祭り!亀田一家人生を賭けた3大勝負」の番組の中で現役復帰宣言。同4月非公式戦ながらもポンサクレック・ウォンジョンカムに勝利。同11月に2度目の現役引退。プライベートでは12年3月に結婚。3児の父親でもある。
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