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井岡と一問一答 ベルトは「いろんな意味で重たい」「海外の王者と戦いたい」

[ 2019年6月19日 23:35 ]

<WBOスーパー・フライ級王座決定戦 井岡一翔・アストン・パリクテ>10R、レフリーが試合をストップし井岡は4階級制覇。コーナーポストに飛び上がる(撮影・長久保 豊)
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 WBO世界スーパーフライ級王座決定戦を制し、日本人男子初となる4階級制覇を達成した井岡一翔(30=Reason大貴)の一問一答は以下の通り。

 ――率直な気持ちは。
 「見せたかった景色を見せられたと思う」

 ――ベルトの感触は。
 「いろんな意味で重たい。大みそか悔しい思いして、今回チャンス巡ってきた。そこから、このベルトをとるためだけを考えて生きてきた。自分でも4階級制覇は、復帰してからも簡単ではない険しい道でしたけど。大みそかの続きをこういう形で意味があることを証明できた。4階級のストーリーができた」

 ――終わった時は喜んでいた。格別か。
 「ちょっとうろ覚えの感じ。終わった瞬間、興奮しすぎて、リング、ロープから落ちかけた」

 ――10R、最初に効かせたパンチは。
 「たぶん、右ストレートのカウンター。すごい右ストレートを警戒していたので、合わせるのが難しかった。だんだんリズムよく見えてきた。最後あのパンチ当たって、効いたと分かった瞬間、ここしかないと思って、思い切りまとめました」

 ――以前、攻めきれない自分が悪かったと言っていた。
 「その経験を生かせた」

 ――最初、相手と拳を合わせた印象は。
 「思ったより距離も長かった。準備したから対応できたけど、1R始まってやりずらかった。懐深かったし、距離も思ったより長かった」

 ――ここから思い描くものは。
 「死にものぐるでこのタイトル獲ったので、このWBOのベルトを海外にいくチケットとして海外の他団体の王者と戦いたい」

 ――1Rの狙いは。
 「戦略としては、相手は前に出たら強い選手。逆に下がらせる展開をつくるのに、向き合った時の場所。特に体の位置を右にした。左を攻めて、右を詰めていく。向き合って、パンチもあった、テクニックもそこそこある。入っていくのは難しかったけど、練習でそういう相手とスパーリングをずっとこなしてきた。リズムをつかめてから、勇気を持ってやってきたことを出せた」

 ――勇気を持ってできたか。
 「勝つために何をやるか。気持ちだけだと無理。勝つためにやるべきことをやるために一歩、踏み入れました。3~4Rで距離をつかんできた。最初は我慢比べ。相手の左のパンチうまかった。リードも思った以上に伸びてきた。7Rくらいで、相手が連打してきた。何発か終わるかとブロックした。勝負に来たので、ここで勝たないと勝たないと思った。思い切り打ち合った。相手はボディーも効いていた。下がらずに打ち合って、またプレッシャーをかけられた。相手の気持ちも折れた」

 ――7Rがターニングポイント?
 「スタミナも自信があった。どこで打ち合っても勝つ気持ちがあった」

 ――下がらずに打ち合うことができたのはなぜか?
 「前回の結果もあった。はっきり白黒つけたかった。階級を上げて、しっかり打ち勝っていかないと。今までの技術だけではおかしいけど。勝負しないといけないという気持ちがあった」

 ――7Rで相手のラッシュは効いた?
 「ガードからいかれたのは、若干、脳が揺れた。効いたというより、やばいと思った。なんやろ。焦った。会場もざわついていた。俺やばいんかなみたいな」

 ――今だからいえるしんどさはあるか。
 「プレッシャーでしょ。ここまでやるって言って。ボクシングに踏み入れた以上、口だけで終われない。リングの上で証明するしかない。一度、引退して復帰して、より大きなこと言っているので。言って、大みそかがあって。それで今回、ただならぬ気持ちで人生を懸けて。負けられないというプレッシャーがある。相手が強いの分かっている。そうとうなプレッシャーがあった。どんなときも強い気持ちを持って、一日一日、わかりやすく言えば、明日のことを考えずに全力でチームで練習をこなそうと思った」

 ――あえて自分で大きなことを言って自分を奮い立たせた?
 「ないですけど。わかりやすく証明するため、この道しかない。他のボクサーと同じことをしても一緒にしか評価されない。違うことをして、自分がやりたいことをして。評価を求めるわけじゃないけど、応援もらっている人に井岡って違うなと思わせたい気持ちは強かった」

 ――感情が高まったのは久しぶりか?
 「試合前からいろんな感情がこみ上げてきた。泣きそうになるじゃないですけど。奮い立つものが常にあった。それをみんなに分かってほしいじゃないけど、ずっと追われてている気持ち。追い詰められている。でも、自分でやっているし、これだけの舞台を用意されているのは、限られた人しかいない。このリングでできることを幸せをかみしめて、結果で感謝を示す気持ちでやった」

 ――今後は海外か?
 「そうですね。今日は久しぶりに日本で試合ができて、力をもらえた」

 ――終わった時はどんな気持ちか。
 「分からないです。いろんな思いがあるからこそ、いろんな思いを爆発しました」

 ――8年前にミニマム獲ったときとの感情の違いは。
 「8年前にとった感情に近い。2、3階級、防衛戦しているより初めてチャンピオンになった感情に近い。一回引退して、復帰して。チャンピオンベルト、世界チャンピオンになる強い気持ちがあったから」

 ――今日負けてたら後はなかったか。
 「そんなことは考えてない。勝つ。だからこそ追い詰めたし」

 ――パワーと技術の融合は?
 「だいぶ分かってきた。階級を上げて、この階級での大事なところとスキルアップしないといけないことがマッチした。成長しないと勝っていけない。今回もできることを準備しただけでなく成長できたから勝てた。次、勝つためにも成長できるようにまた頑張りたい」

 ――井上尚弥選手について思うこと。
 「僕は現役。彼を評価するのは失礼だと思う。彼は彼で偉大なことやっている。何も考えてないというとそれはウソ。でも、思うこともあるし。気を留めずに自分のことをやっていく」

 ――引退はプラスになったか?
 「世界王者ですからね。自分ながらよくやった。新たな歴史を刻んだ。それが全て」

 ――王者として子どもを抱けるが?
 「生まれてくる前にチャンピオンで迎えてあげたかった。それが実現する。あと何カ月かで生まれる」

 ――海外で戦いたい相手は?
 「いや別に…。エストラーダ選手ですかね。ずっと近いところにいる。すごい彼は世界的に評価されている。メキシコでも、アメリカでも人気。一緒の興行でもやっている」

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