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那須川天心に近づく“Money”メイウェザー ファンが本当に望むマッチメークを

[ 2019年2月16日 10:00 ]

メイウェザーと那須川天心(AP)
Photo By AP

 キックボクシングの“神童”那須川天心(20=TARGET/Cygames)に今度はボクシングのWBA世界スーパーフェザー級スーパー王者ジェルボンテ・デービス(24=米国)とのエキシビションマッチが浮上している。デービスをプロモートする元5階級制覇王者のフロイド・メイウェザー(41=米国)が4月の「RIZIN.15」での対戦をぶち上げたものだが、果たして実現するのだろうか?

 「Money(金の亡者)」の異名を持つメイウェザーは昨年大みそかの「RIZIN.14」で那須川とエキシビションマッチを行い、10億円超とも言われる大金をせしめたばかり。“2匹目のドジョウ”を狙っての企てだろうが、今回もボクシングルールなら那須川にメリットは全くない。ファンにとっても望むようなバトルにはならないだろう。

 スーパーフェザー級のリミットは58.9キロで、確かに那須川のナチュラル体重に近い。ただ、メイウェザーによると、デービスは5月に「リアルファイト」を計画しており、1カ月前のエキシビションマッチのために体重をつくってくるとは思えない。仮に減量したとしてもリカバリーするので試合当日には少なくても2階級ぐらいの体重差となることが予想される。ルールに関しても負傷のリスクが高くなるキックを那須川に認める可能性は極めて低い。

 那須川は3月10日に東京・大田区総合体育館で開幕するトーナメント方式のRISE世界シリーズへの出場が決定済み。そこまではキックボクシングの練習に専念することになり、準備期間も十分とはいかないだろう。相手は21戦無敗20KOの現役世界王者。ボクシングルールならメイウェザー戦よりも結果は明白だ。

 メイウェザーとの対戦はエキシビションとはいえ海外でも大きな話題となり、那須川の名前を広く知らしめた。キックボクサーとしての才能と実力は誰もが認めるところ。大金を生み出す“かませ犬”になってはいけない。メイウェザー側が挑発してくることも考えられるが、相手にする必要はない。

 RIZINの榊原信行実行委員長は3月10日の試合を無事終える条件付きながら那須川の「RIZIN.15」参戦を示唆。一方でメイウェザーと再びビジネスを行うことには否定的な発言もしている。那須川は日本格闘技界の至宝とも言える存在。ファンが本当に望むマッチメークを期待したい。(記者コラム・大内 辰祐)

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