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細川バレンタイン、初防衛に成功 ダウンの奪い合いも「俺の方が強い」

[ 2018年5月7日 21:23 ]

逆転TKO勝ちで初防衛に成功した細川バレンタイン
Photo By スポニチ

 ボクシングの日本スーパーライト級タイトルマッチ10回戦は7日、東京・後楽園ホールで行われ、王者・細川バレンタイン(37=角海老宝石)が同級1位デスティノ・ジャパン(34=ピューマ渡久地)に7回1分21秒KO勝ちして初防衛に成功した。昨年12月に王座を奪取した細川は32戦23勝(10KO)6敗3分け、2004年アテネ五輪ドミニカ共和国代表のデスティノは30戦24勝(22KO)4敗2分け。

 年間最高試合レベルのナイスファイトだった。1、2回はジャブと右フックがさえた細川、3回はボディーから左右フックを決めたデスティノが取って迎えた4回。まずはデスティノの左フックで、細川が吹っ飛ばされる強烈なダウン。だが、練習してきたとおりにガードを上げてしのぎ「俺の方が強いと思った」という細川が打ち合いを挑み、右フックで逆にダウンを奪い返した。デスティノは立ち上がったものの足元がフラフラで、5回終了時の公開採点は2―0(48―48、49―46、48―47)で細川がリード。そして7回、「相手が来るところに相打ちで行こうと練習してきた」という細川が相打ち気味に右を叩きつけると、デスティノは膝から崩れてダウン。レフェリーはカウントを途中でストップし、TKO勝ちした細川はコーナーに駆け上がって「どーよ!」とほえまくった。

 外資系金融会社とボクサーの両立を誇りにしていた細川だが、3月中旬に思い立って退社した。「勝っても負けても精いっぱいやらないと、一生後悔する」と安定した生活を投げ捨てた。ボクサー一筋になり、生活は一変した。通勤していた時間帯に10キロのロードワーク、午前と夜にジムワーク、さらに6キロを走る。「サラリーマンは8時間働いているんだから、ボクサーもそのぐらいやらないと」。睡眠時間も4時間から8時間と倍増し、「今までは疲れた状態で練習していたけど、練習のクオリティーが上がった」と効果を口にした。

 昨年12月に王座を奪った前王者・麻生興一(三迫)は親友。進退の相談に乗り、この日は控室で激励を受けた。「アイツに勝った俺は強かったんだぞ、というのを見せたかった。ダウンを10回取られても勝とうと思っていた」と明かした。試合後は日本スーパーライト級2位の井上浩樹(大橋)からあいさつを受け、「絶対挑戦するなよ?」とくぎを刺すと「します!」と返されたという。2階級制覇王者・井上尚弥(同)のいとこでプロ11戦全勝(10KO)の相手を「たぶんこの階級で一番強い」と評価し、「アイツが来ても大丈夫なように練習します」と締めくくった。

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2018年5月7日のニュース