黄金世代を超える横浜高校「真時代」の幕開け 村田監督とエース織田が「シンクロ」した新テーマ

[ 2025年9月28日 20:13 ]

秋季高校野球神奈川県大会準々決勝   横浜8―1平塚学園 ( 2025年9月28日    サーティーフォー保土ケ谷 )

「真時代」と帽子のつばに記した村田監督(撮影・柳内 遼平)
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 2季連続で甲子園出場を果たしている横浜が8―1で平塚学園に7回コールド勝ちし、関東大会出場圏内まで1勝に迫った。

 来秋ドラフト1位候補のエース右腕・織田翔希投手(2年)は6回4安打1失点。打席で2死球を受けるアクシデントがありながらも、直球、カーブ、チェンジアップの3球種でタイミングを外した。

 意識せずにいられない。平塚学園とは今夏の神奈川大会準々決勝で5―4の激闘を演じた。1点を追う9回は2死、2ストライクまで追い込まれるなど苦しめられた相手だった。再戦を控えた朝、村田浩明監督は過剰な意識を取り除くため、ナインに語りかけたという。
 
 「もちろん(選手は)相手への意識がありました。でも今朝、選手たちに言いました。“去年の3年生は(秋、春、夏の神奈川大会で)全部勝ったので、どこもみんな打倒横浜で来る。だから別に平塚学園だからどうこうじゃない、特別なことでは全くない”と。ちょっと冷静になれたと思います」

 指揮官の「そもそも論」で選手たちにかかっていたプレッシャーは軽減された。先発で好投した右腕・織田は「(夏と)比べるもんじゃないと思ってるので」と無心で腕を振っていた。

 今夏で引退した3年生は疑いようのない黄金世代だった。主将の阿部葉太、エースの奥村頼人、三塁手の為永皓、二塁手の奥村凌大は今春の選抜優勝に貢献し、夏の甲子園後にはU18ワールドカップを戦う高校日本代表に選ばれた。特に阿部は日本代表でも主将を務めたリーダーシップの持ち主だ。この秋、どうしても黄金世代との比較は避けられない新チームがスタート。村田監督は練習指導よりもナインのマインドセットに時間をかけてきた明かした。

 「この一週間、“このチームに必要なことってなんだろう”と思って、ずっと資料づくりに時間をかけてきた。僕の帽子のつばにも、やっとこれを書いたんです」

 村田監督が脱帽する。そこには「真時代」と記されていた。新ではなく真。比較される苦悩からの解放を目指すワードだった。
 
 「もう本当に小野(主将)世代。もうお前たちの代で“真時代”をつくっていこう、今日はスタートだよと。そこ(黄金世代との比較)をどうやっていくか、僕もその感覚で監督をやると“阿部だったら打っているよ”とか思ってしまう。(テーマを)準備してからからは(雑念は)なくなりました」

 実は村田監督とエース・織田の考えは合致していた。織田は己のテーマとして「真」を考えていた。そして、指揮官が発表したテーマは「真時代」だった。うそ、いつわりのない本当のことを示す「真」の字を選んでいた偶然に「監督さんの思いが自分たちに伝わっている」と横浜魂の継承を実感した。

 阿部がいない、奥村頼もいない。だからこそ、自分たちが成長することでしか横浜の「真時代」はつくれない。指揮官が掲げたテーマの下、まずは神奈川県大会制覇を狙う。(アマチュア野球担当キャップ・柳内 遼平)

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