今江前楽天監督も合流しKBOの日本人コーチは9人 求められる役割とは

[ 2025年7月15日 11:00 ]

サムスンでQCコーチを務める今江敏晃前楽天監督(サムスンライオンズ提供写真)
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 【室井昌也コラム 月に2回は韓情移入】

 今季の韓国KBOリーグには常駐の日本人コーチが全10球団中、4球団に8人いる。人数の増減はあるが20年以上、途切れたことはない。

 日本人コーチは「KBOよりレベルが上のリーグの指導者」ではあるがそれぞれ千差万別。NPB出身者なら誰でも求められるということではない。その時々の状況によって必要とされる人材は変化している。昨今は「育成」の比重が大きい。

 8人の日本人コーチのうち5人が2軍(フューチャーズリーグ)を担当している。斗山(トゥサン)ベアーズで仁村徹2軍総轄(元中日2軍監督)とともに今季から指導を行う、小野和義2軍投手コーチ(元西武コーチ)は「将来性のある若い選手が多いのでやりがいがあります」と話す。

 「体が大きくて素材は日本の投手よりいいと思う選手が何人もいます。ただストレートは150キロ台が出ても変化球はまだまだということが多いです。自分で感覚をつかめていないので、時代の流れとは逆にはなりますがもっと投げ込む必要があると思います。練習で投げさせられない分、試合の勝ち負けに関係なく実戦で試させています」(小野コーチ)

 サムスンライオンズはフルタイムの活動ではない日本人指導者を招いた。春季キャンプで打撃インストラクターを務めた今江敏晃前楽天監督だ。5月9日からQC(クオリティ・コントロール)コーチとして毎月2週間程度、1軍に帯同している。

 今江コーチは既存の打撃コーチ2人の打者管理を把握しつつ、自身の気づきを選手に混乱させない範囲で伝えている。また、選手が抱える技術的、精神的な課題や疑問に答えるアドバイザー的な役割を担う。今江コーチは日韓の選手に違いをこう話す。

 「個人的な考えかもしれませんが日本では“最悪の結果”をある程度想定してそうならないように対応しますが、韓国は“最高の結果”だけを考えてプレーしている選手が多いように感じます。打者の場合、準備不足では日本の投手のような精度の高い変化球への対応は難しいです」

 韓国球界を代表する名将で京都出身の金星根(キム・ソングン)元監督は、かつて多くの日本人コーチを呼んだ。その理由に挙げたのは「しつこさ」だった。課題解決、弱点克服に至るまで粘り強く、諦めることなく選手に付き添うのが日本人コーチの良さだという。

 「チームを強くする」には相手と自軍の戦力把握が必要で、新規の外部リーグ指導者にそれを求めることは近年減っている。とりわけ日本人コーチには若手選手の育成を望む傾向がKBOリーグにはある。


 ◇現在KBOリーグに在籍の日本人コーチ

 KIA 中村武志バッテリーコーチ
 サムスン 今江敏晃QCコーチ(非常勤)
 斗山 後藤孝志ヘッド兼打撃コーチ、仁村徹2軍総轄、小野和義2軍投手コーチ
 SSG 芹澤裕二バッテリーコーチ、鈴木郁洋2軍バッテリーコーチ、渡辺正人2軍守備コーチ
 ハンファ 鶴岡一成2軍バッテリーコーチ

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