【虎番リポート】21年ごろからブルペン陣内で始まった”グータッチ儀式”がリリーフ陣の強さの秘けつ

[ 2025年7月15日 05:15 ]

6月28日、ヤクルト戦でグータッチを交わしながらマウンドに向かう阪神の及川(右から3人目)
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 阪神・セ・リーグの本拠地球場で唯一、記者席からブルペンを見ることができる神宮球場。試合中にある光景が目に留まった。

 肩をつくって準備はしていたが登板機会が訪れなかった投手に試合後、駆け寄るリリーフ陣。よく見ると、笑顔でグータッチを交わしていた。どんな意味が込められているのだろう――。ブルペンのリーダーを担う岩崎に聞いてみた。

 「(万が一に備えた登板の準備は)誰かがやらなきゃいけない。それをやってくれている点で他のメンバーは助かる。試合には出ないけど、それだけでも一つの仕事なので“お疲れさま”“ありがとう”の意味を込めて」

 21年ごろから始まった、この儀式。チーム内ではマウンドへ送り出す時や登板後に迎える時など、いろんな場面でグータッチを行いエールや感謝の気持ちを伝えてきた。発案者は岩崎自身。左腕は「誰かがやってたんですよ。これいいなと思って」と決めごととして取り入れようと決めた。

 若手たちはどう思っているのだろう――。試合のマウンドに上がらなくても、肩をつくって備えることは体力も気力も使う。及川は「やっぱり気持ちが少し救われたりとかもする。“ありがとう”って言ってくれるだけでも楽になったりする」と、その瞬間が心の支えとなっている。

 国指定の難病「胸椎黄色じん帯骨化症」から復活を遂げた湯浅はリハビリ期間中、2軍にも広めようと思い立った。1軍の中継ぎ陣に新人が加わった時は自ら歩み寄って教えており、「やってもらって嫌な気持ちになる人はいない。いいことだと思うし、自然と(これからも)続いていくと思う」。右腕のおかげで、2軍でもマウンドへ送り出す時のグータッチは徐々に浸透してきている。

 1、2軍の垣根を越えて、受け継がれる猛虎の儀式。拳を優しく重ねることで、きっと思いは伝わるはずだ。

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