ソフトバンク・渡辺陸の「居場所」 グラウンドを見渡すと… マスクかぶらない日もアンテナビンビン 

[ 2025年6月15日 07:15 ]

ソフトバンク・渡辺陸
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 ソフトバンクの本拠地での10日からの巨人3連戦、試合前練習後。自軍ベンチで相手の打撃練習を1人で見続けている長身がいた。ソフトバンク渡辺陸捕手(24)だった。「大城卓さんや丸さんが、どんな打撃をしているかを見ていました。自身の打撃の勉強にもなるし、配球にも生きるので」。その背番号は「00」。あえてゼロの状態にして、何でも貪欲に吸収しようとする姿勢は見ている方にも、学びがある。

 10日の巨人戦は有原―海野のバッテリー。ただ、ベンチ内の有原の隣には渡辺がいた。「いやいや、席がここしか空いていなかったんですよ」と渡辺は照れたが味方の攻撃間に汗を拭う有原のタイミングを見計らって思ったことを聞いたり、話を聞いたりしていた。

 14日のDeNA戦は上沢―嶺井のバッテリーだった。あの男を探すと今度は上沢の左後方の席にいた。ただ、嶺井と上沢が味方の攻撃中に確認し合う話を聞きながら、一緒に首を上下にしながら、うなずいていた。

 小久保ホークス2年目は交流戦の時点で捕手3人体制。最年少の渡辺は今季、前田純、大津、松本晴と若い投手とバッテリーを組んでいる。ただ、自身がマスクをかぶらない日にも常にアンテナをビンビンに張っている。

 ウオッチからの察知(観察)、洞察、聞き取り、推測、予測、探り。すべてを単独で動いて、感じて、本職でのマスクに生かそうとしている。さらには試合前後に接すると常に笑顔なので、心の中もなかなか読みにくい。投手陣を常に称える謙虚さも、魅力でもある。

 当然ながら小久保監督は、渡辺の姿を5月上旬の時点で気付いていた。見ていた。「投手との信頼を勝ち取りに行く姿勢は(捕手で)一番、ある。他のキャッチャーと投手が話しているのを聞きに行っていた。気持ちは凄く感じるものがある。でも、この世界は結果を出せないと残れない」。ハッパをかけながらも、渡辺の起用を続けている。

 現場では常に観察し、洞察しているつもりだが、まずはグラウンドを見渡して渡辺を探そうと思う。(記者コラム・井上満夫)

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