【センバツ】西日本短大付 佐藤が「ドカベン」殿馬ばり外野シフト超えの秘打!!

[ 2025年3月21日 06:00 ]

第97回選抜高校野球大会第3日 1回戦   西日本短大付6―0大垣日大 ( 2025年3月20日    甲子園 )

<西日本短大付・大垣日大>5回、西日本短大付・佐藤は適時三塁打を放つ(撮影・北條 貴史)
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 快晴の甲子園に、ドボルザーク作曲の交響曲第9番「新世界より」が響いた。4回1死二塁。西日本短大付の佐藤仁が左中間へ適時二塁打を放った。「あそこまで極端なシフトは初めて。ビックリした」としたが「(外野の頭を)越えてやる」と燃えた一打だった。

 1メートル80、93キロの恵まれた体格の4番は徹底マークを受けた。2回の第1打席から外野手全体が左に寄る極端なシフト。左翼線への鋭い当たりが左飛に終わった。だが、4回は二塁打、5回2死三塁でも左翼手の頭上を越すフェンス直撃の適時三塁打。シフトをものともしないパワフルな打球で、9安打6得点の打線を引っ張った。

 父の五魚(ごう)さん(56)は作曲、編曲家。男性ボーカルグループ「ゴスペラーズ」のツアーでは、キーボード奏者を6年間務めた。佐藤もピアノを3歳から11歳まで習った。寮には小さなキーボードを持ち込みジャズなどを弾いて過ごす。打席の「新世界より」も「甲子園を自分の雰囲気にしたい」と吹奏楽部にリクエスト。野球漫画「ドカベン」では、ピアノが得意で奇想天外な「秘打」を放つ殿馬が人気だが、佐藤の安打も相手の予想を上回る「秘打・シフト越え」だった。

 大会前、学校での壮行会では選手入場時の楽曲などを父が作曲。この日はアルプス席で観戦し「(楽器へ)触れるようにはしたけどバットを持っていました」と言いながらも、愛息の活躍に目を細めた。選抜は38年ぶり2度目の出場で初勝利。「歴史を刻む1勝。本当にうれしい」。佐藤は快音と勝利の校歌のハーモニーを心から楽しんだ。 (杉浦 友樹)

 ◇佐藤 仁(さとう・じん)2008年(平20)1月8日生まれ、北九州市出身の17歳。北九州子どもの村小4年から企救丘ジュニアドリームスでソフトボールを始め、北九州子どもの村中では八幡東ボーイズに所属。高校通算8本塁打。50メートル走6秒5、遠投105メートル。1メートル80、93キロ。右投げ右打ち。

 ▽殿馬一人(とのま・かずと) 水島新司作の野球漫画「ドカベン」に登場するキャラクター。走攻守にセンス抜群の不動の2番・二塁手。ピアノの腕も超一流で打席でも「チック、チック」とリズムを口ずさむ。回転しながら打つ「秘打・白鳥の湖」、ファウルライン上に打球が止まるセーフティーバント「秘打・G線上のアリア」などの「秘打」が得意。ちなみに、構えたバットの手を緩め、落としたグリップに当てるバントは「秘打・新世界ドボルザーク」で、西日本短大付・佐藤仁の打席で流れた曲と同じだった。

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