阪神・佐藤輝が2試合連続8号 「バース超え」狙える月間20発ペース「凄くいい状態」

[ 2024年8月5日 05:15 ]

セ・リーグ   阪神4ー0DeNA ( 2024年8月4日    横浜 )

<D・神>横浜スタジアムのファンにあいさつする阪神・佐藤輝(撮影・大森 寛明)
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 阪神・佐藤輝明内野手(25)が4日のDeNA戦(横浜)でバックスクリーン右に2試合連続の8号3ランを放った。3カード連続で、夏のロード勝ち越し発進を決定づける一発。これで8月は4戦3発と、1986年6月にランディ・バースがマークした月間本塁打の球団最多記録「13」の更新も期待できる量産ぶりだ。今季4度目の猛打賞で13試合連続安打、7試合連続マルチも継続。球宴明け9試合は打率・513(39打数20安打)、8月に限れば打率・588(17打数10安打)と猛虎の4番が大フィーバーで、チームの貯金を今季最多タイ8とした。 

 佐藤輝が舞った。失速を知らない驚弾をバックスクリーン右に叩き込み、悠然とダイヤモンドを一周。三塁を回り、仲間が待つベンチ前に差し掛かったところで両手を水平に広げ、チーム流行の「カモメポーズ」を披露。連勝が「8」で止まった翌日に、再発進への飛翔を告げる号砲だ。

 「(意識は)普段通りいきました。いい形でとらえることができましたし、最高の結果になってくれた」

 カウント2―1から左腕・ケイの直球を砕いた。第2打席までの素直な回転ではなく、本塁打の打席だけ「ツーシームっぽかったけど、反応できた」と回想する。意地でも抑えにかかった助っ投の策の上を行く一撃。「打った瞬間、いい感じかな、と」。確信のスタンドイン。痛恨被弾のケイはグラブのヒモを駄々っ子のようにかみしめるしかなかった。この夜は15残塁。4番の快音が拙攻の嵐に見舞われた虎を救った。

 真夏のヒットパレードは1―0の4回に開演した。先頭で右前打し、自己新を更新する13試合連続安打。続く大山との間でヒットエンドランを成功させて一、二塁と好機を拡大し、野口の中前打で無死満塁。後続が倒れて追加点は奪えずとも、ケイにボディーブローを浴びせた。

 5回の3ランを挟み、7回1死でも再び右前打で今季4度目の猛打賞。7試合連続マルチは52年後藤次男10試合に次ぐ球団2位だ。球宴明け3カードの打率・513で、8月に限ると・588。この夜の3安打はすべて直球を攻略した。3日の初回に吉野から打ったアーチも直球だった。懐を攻められ、差し込まれ続けた春の姿はどこにもない。「凄くいい状態」。背番号8は大きくうなずく。

 快打の予兆は、試合前練習にあった。今回の3連戦では、連日フリー打撃で柵越えを連発。軽く振ってもスタンド上段まで運んだ。思えば3日間響き続けた係員の笛は、DeNA投手陣への警笛だったのかもしれない。

 86年6月にバースが放った13本塁打は、球団史に輝く月間最多記録だ。4戦3発の佐藤輝は現時点で月間20発ペース。そして今月はまだ23試合を残す。本塁打が出やすい神宮、東京ドーム、横浜での開催も控えている。夢を夢で終わらせない確かな技術と勢いが、今の佐藤輝にはある。 (八木 勇磨)

 ○…佐藤輝(神)の2試合連続本塁打は4月5、6日ヤクルト戦の1、2号以来今季2度目。8月は4試合で3本の固め打ち。月間27試合に換算すれば20本ペースで、プロ野球記録のバレンティン18本(ヤ=13年8月)も上回る。なお阪神選手の月間最多本塁打は86年6月バースの13本。日本人選手では田淵幸一らの11本がある。

 ○…この日の3安打で7月28日の中日戦から7試合連続のマルチ安打。阪神選手では52年後藤次男の10試合(プロ野球記録)に次ぐ2位となった。

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