ロッテ 新世代の広報ウーマン「みのりん」 チームとファンの距離を縮めるために奮闘の日々

[ 2024年2月29日 07:45 ]

<ロッテ石垣島キャンプ>新人広報の上村さん(撮影・長久保 豊)
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 広い春季キャンプの敷地内を、朝から夕方まで忙しそうに動き回る女性がいた。上村みのりさん(26)、千葉ロッテマリーンズの新しい広報部員だ。昨年12月に退職した谷保恵美さんと入れ替わりで1月に入社したが、担当は谷保さんが33年務めた場内アナウンスではなく、選手とメディア間の調整、球団公式YouTubeチャンネルの動画撮影や編集など。キャンプや遠征にも同行する女性広報部員はロッテでは初めてとなる。

 前職はテレビ制作会社のディレクターで、主にプロ野球中継を手がけていた。子供の頃から大の野球好きで「プロ野球に携わりたい」という夢を実現させるために選んだ就職先がテレビ制作会社だった。だから、テレビ局の知人を通じてマリーンズの球団広報という仕事に誘われた時には「悩むことなく即決だった」そうだ。動画の撮影や編集は専門分野、メディア対応は簡単ではないが、取材する側の立場も理解しており、持ち前の明るさで乗り切っている。

 球団内部、チームの内側は未知の世界だったが、佐藤や平沢、茶谷、大下ら同学年の選手が実に12人、さらに同じ97年生まれのスタッフも2人いるという幸運?もあって、すぐに打ち解けた。石垣島での1次キャンプ中に開催された「同級生会」にも参加。佐藤のインスタグラムでは、選手たちの中心で笑顔でVサインする上村さんの姿をみつけることができる。また、チーム最年長38歳の荻野が「みのりん」と愛称で呼んでくれたことで、自然な感じでチームにとけ込めたという。

 「毎日、大好きなプロ野球の近くで仕事ができているので、今は楽しくて…。大変だなと思うこともありますし、覚えなくてはいけないこともたくさんありますけど、とにかく自分のできることをがむしゃらに、精いっぱいやっていけたらと思っています」

 球団から求められているのは、ファン感覚や女性目線を忘れないこと。元スポーツ紙記者の梶原紀章広報室長の指導の下、ロッテというチームの魅力を伝え、新たなファンを獲得することも使命となる。

 「ずっと、がむしゃらにやるだけではダメだと思っているので、ファン目線で、どうしたらファンに喜んでもらえるかを考えていけたら。私自身がプロ野球の一ファンだったので分かるんですけど、人気選手だけじゃなく、この選手が好きというファンが必ずいるので、そういったファンのためにも、たくさん選手のPRもしていきたいですね」

 3月にはオープン戦が始まり、そして下旬にはシーズンが開幕。広報の仕事もこれからが本番だ。新世代の広報ウーマンは、どんな未来図を描いていくか?チームとファンの距離を縮めてくれるのではと想像している。(ロッテ担当・大内 辰祐)

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