ドジャース・由伸 ライブBP初登板にMVPが脱帽 ベッツ「えげつない」フリーマン「信じられない」

[ 2024年2月19日 02:30 ]

ドジャース・山本由伸
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 ドジャースの山本由伸投手(25)は17日(日本時間18日)、今キャンプで初めて実戦形式で打者と対するライブBPに臨んだ。ムーキー・ベッツ外野手(31)、フレディ・フリーマン内野手(34)のMVP経験者2人を含む主力6人に28球を投げ、安打性の当たりは1本のみ。力強い投球に称賛の声があふれかえり、3月20、21日の韓国ソウルでのパドレスとの開幕シリーズ登板へ大きな一歩を踏み出した。

 抱きしめたい――。そんな指揮官の思いがにじみ出た。初めて実戦形式の練習を終えたばかりの山本に背後から歩み寄ったデーブ・ロバーツ監督は、抱きついたまま離れなかった。その間、約20秒。背番号18の28球が与えた衝撃を物語った。

 「久しぶりだったので楽しみな気持ちもあったし、集中して落ち着いて投げようと。(主力との対戦は)幸せですね。ありがたい」

 6人合わせてメジャー通算1013本塁打。先頭の18年MVPで同252発のベッツから、主力がずらり並んだ。3球目、そのベッツから内角高めの直球で空振りを奪った。打席で思わず「うわっ、えげつない…」と漏らす。続く4球目は詰まらせて中前に落とされたが、打球は打ち取った当たり。「最速155キロくらい」(山本)という速球、カットボール、カーブ、スプリットで、米国では例を見ないすり足気味の左足をほぼ上げない独特のフォームから、制球良く投げ込んだ。結局安打性はこの一本のみで、20年MVPで同321発のフリーマンは内角低め直球で見逃し三振に仕留めた。

 ベッツがスタンディングオベーションで迎えた。見守っていた投手陣やチーム関係者、ファン約1000人に喝采の輪が広がった。フリーマンは「インクレディブル!(信じられないぐらい素晴らしいよ)」と歩み寄った。「コーナーへの制球力が印象的だ。どんなに褒めても褒めたりないよ」と絶賛。右飛だった同180発のマンシーは「シーズン半ばのパイレーツの試合よりも多くのファンが集まったんじゃないか」と冗談を飛ばすほど異例の光景だった。

 ロバーツ監督は登板前から信頼を口にしていた。「先発の軸になると確信している。どの球種もストライクが取れて、左右の違いも苦にしない」。圧巻の投球で確信に変わり、思わず抱きついてみせた。まだオープン戦での実戦登板前ながら、3月20、21日のパドレスとの開幕シリーズの先発マウンドがより現実的なものとなった。

 「バッターと対戦する感覚とか、しっかり確認できた。(自己評価は)85点ぐらい。思ったより良かった」。捕手とのサイン交換のピッチコムの初使用も問題なくこなし、投球間を時間制限するピッチクロックにも適応。もう一度ライブBP登板をこなし、2月末から3月頭にはオープン戦に登板して仕上げにかかっていく。(杉浦大介通信員)

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