大谷転んで“笑タイム” ドジャースGM特別補佐の熱血走り方指導も…最新機器壊して弁“償”タイム?!

[ 2024年2月15日 02:30 ]

<ドジャースキャンプ>強烈なダッシュに機械のワイヤーが切れて転倒する大谷(撮影・白鳥 佳樹)
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 ドジャースの大谷翔平投手(29)が13日(日本時間14日)、徹底的に走塁練習に取り組んだ。ブルワーズ、レッドソックスで監督を歴任し、GM特別補佐を務めるロン・レネキー氏(67)から熱血指導を受け、約2時間、スタートの切り方などに時間を割いた。練習中に誤って転倒するハプニングもあったが、幸い大事には至らず。この日は野手組の集合日で、14日(同15日)に全体キャンプの初日を迎える。

 ひやりとした。大谷が最新機器「1080(テンエイティー)SPRINT」を利用して、さっそうとダッシュ。その時、腰に巻いたベルトと本体をつなぐケーブルが外れ、大きくバランスを崩して転倒した。

 左手から地面につき、素早く受け身。起き上がった後、昨年9月に手術した右肘を抑えて痛がるしぐさを見せた。一瞬凍り付いた周囲に、すぐに笑顔をみせる大谷流のジョーク。すると、デーブ・ロバーツ監督が、1万7000ドル(約260万円)の高級機器でのアクシデントに「やりやがったな、翔平!よくも機械を壊したな」と笑顔でやり返した。

 前日は161日ぶりの屋外フリー打撃で10発。この日は走塁練習に注力し、リードの姿勢や幅、スタートの切り方を約50分、細かく確認した。助言を送ったロン・レネキーGM特別補佐は「他のことに取り組める時間がより増えた。盗塁や一塁から三塁に走る走塁を効率的にしようとしていた」と説明した。

 右肘手術の影響で、今季は打者専念。まだ投手練習を行えず、今キャンプは走塁練習に多くの時間を割く。レネキーGM特別補佐は「彼がもっと走りたいのは分かっているし、間違いなくそれができる能力がある。彼の能力を最大限に活用するにはどうすればいいかを考えている」と続けた。

 同氏は16年にエンゼルスでコーチを務め、トラウトも指導。前年の11盗塁から30盗塁への急増をアシストした。大谷の自己最多は21年の26盗塁。昨年までの盟友トラウトと同じ取り組みで走塁を磨くことで、日本選手初のトリプルスリー達成や、過去わずか5人のシーズン40本塁打以上と40盗塁以上の達成者を指す「40―40クラブ」入りも現実味を帯びる。

 バッテリー組のキャンプ初日だった9日「バッティングのことだけを考える。後は走ること」とテーマを挙げた大谷。走塁改革はもう始まっている。(柳原 直之)

 ≪トラウトの盗塁増も“足スト” ロン・レネキーという男≫レネキーGM特別補佐は日本選手との縁も深い。かつて「僕を見いだしてくれた監督で、とてもお世話になった方」と話したのは、現ヤクルトの青木。12年にブルワーズでメジャーデビューした時の指揮官で、異例の“入団テスト”を経て契約した青木を1年目からレギュラーに抜てきした。

 シーズン161試合目には消化試合で主力の大半が休養する中、「個人の数字が大切な選手」との理由で出場させ、青木は区切りの30盗塁を達成した。

 東日本大震災が起きた11年3月は、ブ軍に宮城県出身の斎藤隆氏が在籍していた。異国の地で親族らの安否確認に追われる右腕に「どんなことでも力になる」と声を掛けてサポート。斎藤氏も「レネキーがいたから1年間野球ができた」と回想している。 

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