阪神ドラ2・椎葉 悔恨の地・ミキハウスグラウンドから始動 「ここがあっての今」

[ 2024年1月5日 05:15 ]

ミキハウスの看板前で記念撮影する阪神ドラ2椎葉(撮影・後藤 大輝)
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 阪神のドラフト2位・椎葉剛投手(21=四国IL・徳島)が4日、三重県伊賀市のミキハウススポーツスタジアムで自主トレを公開した。社会人チームのミキハウスに在籍した3年間で公式戦登板はわずか1試合。不完全燃焼に終わった地で24年をスタートさせると決めていた。期待の新人右腕が屈辱の場所からスターダムへと駆け上がる。

 いまだに椎葉の脳裏には当時の悔しさが残っている。自主トレ公開の場所に選んだのは、故郷の大阪でも、潜在能力を開花させた徳島でもなかった。不遇の3年間を過ごした三重にあるミキハウススポーツスタジアムだった。

 「悔しい思いをして、見返してやる、という思いで(ミキハウスから)向こう(独立の徳島)に行った。その思いが強かった」

 昨年末にはミキハウス・陣田匡人監督から連絡を受けた。「もし良かったらグラウンドに来て」。恩師の後押しもあって本格始動の場所に選んだ。島原中央高卒業後にミキハウスへ入社。しかし20年からの3年間で、公式戦登板はわずか1試合だった。2年目に腰痛を発症するなど、けがにも苦しみ3年目の22年秋には一塁側ベンチに隣接するクラブハウスで契約満了による退社の通告を受けた。

 その屈辱を糧に四国IL・徳島を経てプロ入りへの切符をつかみ取った。「ここ(ミキハウスでの経験)があっての今です」。くしくも同グラウンドは阪神・原口の自主トレ場所でもあった。実は日本一に貢献した不屈の先輩にとっては縁起のいい地。この日、原口の姿はなかったが、新人右腕も同様にプロ入り後は古巣のグラウンドをパワースポットに変えるつもりだ。

 この日は、キャッチボールやウエートトレーニングなど約2時間汗を流した。「めちゃくちゃきつかった」。バックネット裏にある急勾配の坂道では当時を思い出したかのように無我夢中でダッシュを繰り返し、黒色を基調とした虎カラーの新グラブもお披露目した。

 すでに岡田監督は「呼ぶつもりでおるけど」と今春の1軍キャンプスタートを明言している。「今はやってやるぞ、という気持ち」。最速159キロ右腕も気合十分。強力なブルペン陣への仲間入りを目指す即戦力ルーキーは、屈辱の場所から一気にスターダムへ駆け上がる。(石崎 祥平)

【椎葉と一問一答】

 ――年末年始に家族らからかけられた言葉は?
 「みんなからおめでとう!という言葉を頂いてうれしかった。結果で恩返ししたい」

 ――昨年の12月11日に選手寮の「虎風荘」に入寮。体重は維持している?年末年始で食べ過ぎていないか。
 「キープしています」

 ――大好物のラーメンは我慢している?
 「それも食べていないんです…」

 ――体が大きいなと思った選手は?
 「秋山さんとか森下さん。最初に思ったのは、その2人です」

 ――年末年始、印象に残ったことは。
 「8年ぶりに釣りに行けたことです。(12月)29日に和歌山あたりまで」

 ――何を釣った?
 「その日は40センチくらいのフグしか釣れなかったです…。友達と行きました」

《不屈の先輩・原口の“パワースポット”》原口は16年からミキハウススポーツスタジアムを始動の地に選んでおり、同年は支配下選手昇格、17年は初の開幕スタメン、18年はシーズン代打の球団最多記録(23安打)を達成した縁起の良い場所。19年1月に大腸がんが見つかって以降はコロナ禍もあって訪問できず、23年に5年ぶりに同地を訪れていた。

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