常総学院「ジェイ」の次は「ケイ」 145キロ右腕・大川慧「兄は完璧」 憧れの背中を追う

[ 2024年1月5日 22:48 ]

今年のテーマを「意識の力」と記した大川(撮影・柳内 遼平)
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 昨秋の関東大会で4強入りし、今春の選抜出場が当確している常総学院(茨城)は5日、土浦市内のグラウンドで始動した。この冬は紅白戦を実施せず、体幹トレーニングや短距離ダッシュ、ゴロ取りなど基礎練習に多くの時間をかけている。選抜出場校の発表は今月26日に行われる。

 「ジェイ」の次は「ケイ」だ。常総学院が出場した21年の選抜では3年生右腕・大川慈英(じぇい・3年)が躍動した。2試合、計9イニングを投げて5安打1失点で5三振。ホップするような勢いのある直球で茨城のファン、甲子園ファンを沸かせた。卒業後は東京六大学野球リーグの明大に進学。昨秋のリーグ戦でデビューし、6試合、9イニングを投げて6安打1失点で防御率は1・00。14三振と圧倒的な奪三振能力を披露した。

 選抜当確ラインを突破した今年の常総学院に慈英の弟がいる。最速145キロ右腕の大川慧(けい・2年)。2021年3月27日、常総学院―中京大中京戦では、兄が聖地のマウンドで腕を振っている姿を一塁側アルプス席から目に焼き付けた。当時中3だった弟はその日、常総学院のユニホームに袖を通すことを誓った。「甲子園に行きたい」と強く、強く思った。

 順風満帆な投手道ではなかった。中学時代に2度、右肘を手術した影響で外野手に転向。常総学院で投手に復帰すると昨秋に初のベンチ入り。兄に続いて背番号をゲットした。長身から投げ下ろす直球は迫力十分。秋は直球、スライダーの2球種しか使用していなかったがこの冬、新たに2球種を習得。投球の幅を広げ「絞られないように使い分けながら投げていきたい」と新しい春を見据える。

 東京六大学野球の名門・明大で活躍する兄は憧れの存在。「兄は自分で研究して、試して、悪いモノは捨てるという感じ。(投手として)完璧に近いと思っています」。兄の背中へ、近づく冬。「ケイ」が冬風の下、常総学院のグラウンドに汗を染みこませている。(柳内 遼平)

 ◇大川 慧(おおかわ・けい)2006年6月11日生まれ、神奈川県平塚市出身の17歳。なでしこ小1年から野球を始め、浜岳中では湘南ボーイズに所属。常総学院では2年秋からベンチ入り。憧れの選手はブレーブスのスペンサー・ストライダー。1メートル84、83キロ。右投げ右打ち。

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