大阪ガスが2大会ぶり3度目の優勝 稲垣は昨秋ボールボーイからMVPへ“大出世”

[ 2023年11月20日 06:00 ]

社会人野球日本選手権決勝   大阪ガス9―7Honda熊本 ( 2023年11月19日    京セラD )

<大阪ガス・Honda熊本>2大会ぶり3度目の優勝を決め、歓喜の大阪ガスナイン(撮影・北條 貴史)
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 大阪ガスがHonda熊本との接戦を9―7で制して2大会ぶり3度目の優勝を果たした。史上初の3連覇を狙い、初戦で敗退した前回大会からのV字回復で頂点の座を奪還。終盤の2イニングを1失点で締め、今大会通算2勝1セーブで最高殊勲選手賞に輝いた稲垣豪人投手ら、大会を通じて奮闘した「24歳投手トリオ」が原動力となった。

 優勝決定の瞬間、マウンド上の稲垣は喜びを爆発させた。

 「(都市対抗)予選の負けがあったから勝てた。負けから学ぶことはたくさんある」

 8回から3番手で救援。先発で103球を投げた準決勝・日本生命戦からの連投も、2回1失点で最後を締めた。野球人生で自身初の日本一。今大会4試合で25回2/3を投げて2勝を挙げ、最高殊勲選手賞にも輝いた。喜びに実感がこもった。

 東農大から入社2年目の24歳。昨秋の選手権では、不調のため京セラドームでボールボーイを務めた。変化球に頼りがちなスタイルを変え、直球の強さを出すよう言われてきたが、本格的に取り組んだのは都市対抗出場を逃した今夏から。ランニング、ウエートトレの量を増やしてフィジカルを鍛え、直球を磨いた。ピンチの連続だった9回も自己最速へあと3キロと迫る145キロを計測。エースらしく勝利を呼び込んだ。

 稲垣が厳しい練習に励めたのも、同学年の存在があったからだ。準々決勝・JFE西日本戦の完投から中1日の疲労もあり、4回で降板した先発の大宮隆寛は「稲垣は仲間であり、グラウンドではライバル。最後は任せたという感じでした」。18日準決勝で今大会初登板し、この日も5回からの3イニングで6奪三振と力投した高卒6年目の宮本大勢は「任された時は絶対に抑えようと思っていた」。稲垣を含めて今大会全5試合を担った24歳の“3本の矢”。お互いを助け合い、頂点に上り詰める原動力となった。

 就任3年目の前田孝介監督にとっては2年ぶりの歓喜。昨年は一転して2大大会に初戦敗退したことで批判的な声も聞いた。今夏は都市対抗出場も逃し、振り切る力や投げ切る力を自信に変えられるようなメニューを課した。指揮官が「どん底」と表現した状態から約4カ月で頂点に立ち「まさかここまでやってくれるとは。2年前よりうれしいのは間違いない」。鍛え上げた選手がまぶしく映り、笑顔の中に涙が浮かんだ。 (石丸 泰士)

 ≪OBの阪神・近本も祝福≫大阪ガスが優勝を果たしたことを受けOBの阪神・近本がインスタグラムを更新。スコアや出場メンバーの速報画像に「アレのアレおめでとうございます」のメッセージを貼り、自身が阪神で成し遂げた38年ぶりの日本一と引っかけて祝福した。近本は17年から2年間同社でプレーした。

 ▼広島・末包(19~21年に在籍)強かったですね。最後はライブ配信で確認しました。自分と一緒にやっていた選手たちが頑張っているのを見られたのでうれしかった。

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