【独占手記】阪神・大山 凡退しても絶対に下は向かなかった いい意味での「我慢」も大事
SMBC日本シリーズ2023第7戦 阪神7ー1オリックス ( 2023年11月5日 京セラD )
Photo By スポニチ
第4戦で劇的なサヨナラ安打を放つなど、猛虎を38年ぶり日本一へとけん引した阪神・大山悠輔内野手(28)が、スポニチに独占手記を寄せた。開幕から全試合「4番・一塁」で先発した大黒柱が語る打線の「核」としての自覚、「1点」への執念。そして後輩たちへ示したかったこととは――。
チーム全員でつかんだ日本一。これほど、うれしいことはない。3勝3敗で臨んだ第7戦。勝つことがすべての中、本当に勝って良かった。一年間の集大成、チーム一丸で戦えて良かった。
入団7年目で初めてとなる日本シリーズの舞台。どういう雰囲気なのか、どんな流れになるのか、想像も予想もできなかった。いつも通りにやろうと思ってもできないかもしれない。逆に冷静にできるかもしれない。試合が始まってみないと分からないことばかりだった。だからこそ余計に準備を徹底して、どんな状況になっても、普段と同じようにプレーすることを心がけた。
今季を振り返ってみても「いい結果が出た」と心から思えた日は一日もなかった。常に満足することはないし、今日よりも明日、明日よりもあさって、あさってよりも…。次の日、次の日と、チームが、そして、自分が良くなるためにどうしたらいいかを考えた。常に力をつけて、レベルアップしたいという気持ちが強かった。反省をして、どうすれば次は良くなるのか、ということをずっと考えていた。
最高出塁率のタイトルを獲得することができた。その結果が、チームの勝利に少しでもつながったのであれば、それ以上の喜びはない。4番という打順は打線の真ん中。自分のところで攻撃が途切れてしまうと、打線全体が「線」ではなく「点」になってしまい、なかなかつながらないな、ということは感じていた。出塁することで「点」ではなく「線」、本当の打線として機能することができたように思う。
今季は15の勝利打点を記録した。ただ、印象に残る一打を一つだけ挙げることは難しい。例えば内野ゴロで挙げた1点は、周りから見たらいい結果ではないかもしれない。ただ「1点をもぎ取る、次の1点を取る」という難しさを一番感じていたので、そういう一打は凄く大事にしていきたいと思っていた。一つ、一つの打点に意味があるし、自分の意図というのもある。その「1点の重み」というのを、勝っていく中で凄く感じていた。
また、グラウンド外でも心がけていたことはある。チームには後輩の選手も増えてきた。もちろんチームメートとは野球のことだけではなく、日常生活のことなど、いろんな会話をする。後輩との接し方で特に意識をしていることはないが、いつも通りの自分を見てもらえればいいと常に思っている。だからこそグラウンドでは全力疾走を怠ったり、たとえ凡退しても、下を向いてベンチに帰ったりすることだけは絶対にしなかった。そういうところを見て何か感じてもらえたら、とはずっと考えていた。
実は凡退して、一塁を駆け抜けてベンチへ戻る時は本当に下を向きたくなる。凡退しているので“堂々と”とも言えないが…そこで顔を上げることは本当に難しい。何とかグッと、いい意味での「我慢」も大事だということが少しでも伝わればいいなと思い、顔を上げてきたつもりだ。
小学生のときは、無我夢中でバットを振り、思いっきりボールを投げ、ただただ楽しい記憶しかない。しかし、年を重ね、大人になっていくにつれて、野球の厳しさや、苦しさもわかるようになっていった。
今、心から思うことは「自分一人の力じゃ野球はできない」ということだ。「プロ野球選手になりたい」。その夢を間近で聞いていた家族には、いろんなサポートをしてもらった。野球道具を買ってもらったり、お弁当の用意であったり、送迎であったり…。決して自分一人ではできない。応援してくれる家族のサポートがあったからこそ、ここまで来ることができた。そして、この最高の舞台にも立つことができた。一人だけの野球人生ではないということを痛感する。だからこそ、適当なプレーはできないな、という気持ちが年々強くなっている。それが今の心構えにつながっていると思う。
もちろん家族だけではない。お金を支払って、毎試合球場に足を運んでくれるファンの方、球団の方、裏方さん、トレーナー、打撃投手の皆さんなど…。いろんな方の支えがあって、野球ができている。感謝、そして「しっかりやらないといけない」という責任を感じている。
今季は「自分の体に敏感になっていきたい」ということを一つのテーマに掲げていた。毎日、試合や練習を続けていく中で、考え方や体の変化ということをたくさん感じた。良かったこと、また悪かったこともある。ただ、それは1年だけではなく、長年続けることで、この取り組みが正しかったかどうかが分かる。良かった、悪かったという結果を出すのは早い。本当の答えはまだまだ先にあると思っている。
何事も即、結果が出るものではない。継続してやることが大事。そのことを考えながら、また他の方にもアドバイスをもらいながら、より良い方向という「自分の答え」を見つけていきたい。
(阪神タイガース内野手)
◇大山 悠輔(おおやま・ゆうすけ)1994年(平6)12月19日生まれ、茨城県出身の28歳。つくば秀英では投手兼内野手で高校通算27本塁打。白鴎大では4年春に関甲新学生リーグ新の8本塁打をマークし、大学日本代表の4番を務めた。16年ドラフト1位で阪神入団。今シーズンは全試合で4番に座り打率・288、19本塁打、78打点。通算成績は847試合で打率・270、123本塁打、483打点。1メートル81、92キロ。右投げ右打ち。
○…第7戦も大山が4番の仕事を果たした。4―0とした5回、なお2死二、三塁で比嘉から遊撃深くへの内野安打で追加点をもたらした。「1点でも多くという思いだった。とにかく必死に食らい付き、気持ちで打った」。今シリーズの序盤こそ苦しんでも第4戦でサヨナラ打。第5戦でも適時打を放つなど随所に存在感を発揮し、「一年間の集大成を勝ちで終えられた。チーム一丸となって勝てて良かった」と喜びに浸った。また、シリーズ開催期間中、X(旧Twitter)で最も応援された「SMBCみんなの声援賞」を受賞した。
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