【23年ドラフト下位指名】DeNA5位・石田裕太郎 持ち味の制球力&安定感でチームを代表する投手に

[ 2023年10月31日 05:00 ]

ドラフト<中大・石田裕太郎>DeNA5位指名の石田(前列中央)はチームメートから祝福される (撮影・西川祐介)
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 プロの世界では主役の座を勝ち取れ。DeNAから5位指名を受けた中大・石田裕太郎投手(21)は制球力を武器とした最速149キロ右腕。大学時代は巨人から1位指名を受けた西舘勇陽投手(21)の陰に隠れた存在だったが、新たなステージではチームを代表する投手を目指す。

 10月18日、石田にとって大学最後の登板となった東都大学リーグの東洋大戦は、野球人生を懸けて腕を振った。結果は4安打完封。チームの1部残留を決める貴重な1勝を挙げ「運だと思うが(指名を)待ちたいです」と8日後に迫ったドラフトでの指名を願った。

 最速149キロを誇り、スライダーやシンカーなどの多彩な変化球も完成度は高い。両コーナーに丁寧に投げ分ける投球術を武器に、1年秋でリーグ戦デビュー。順風満帆に階段を上がっていたが、巨人1位指名だった西舘の存在は、大学4年間では超えられなかった。各大学のエースが任される第1戦はほとんどを西舘が担い、石田が任されるのは第2戦。西舘だけではなく今年の東都リーグには好投手がそろい、結果的に7人が1位指名を受けた。

 「西舘がいたから成長できた。自分は150キロをバンバン投げられるわけではないのでできることをやろうと思っていた」と石田。注目されることは少なかったが150キロ超えの直球を武器とする7人の投手とは違い、持ち味の変化球とのコンビネーションで打たせて取る投球を貫いた。指名されるかどうか、立場を一番理解していたからこそ名前が呼ばれた瞬間は「今まで頑張ってきたことが報われた気がする」と自然と涙があふれた。

 DeNAは横浜市生まれの石田にとって憧れのチーム。幼少期から何度も足を運んでいた横浜スタジアムに、次は本拠地としてそのマウンドに立つことになる。「毎日のようにテレビで試合を家族と見ていて、絶対ベイスターズに入ると言っていた。小学校や中学校の夢の欄に欠かさずベイスターズに入ってプレーをすると書いていたので、入団が決まって感動した」と目を輝かせる。

 東都リーグで立ったマウンドは「まだまだ追いつける存在ではない」と語る西舘より1試合少ないだけの50試合。経験は十分積んできた。「プロの世界はたくさん良い投手がいますけど、コントロールと安定感で一番になりたい」。次のステージではもっと輝いてみせる。


 ◇石田 裕太郎(いしだ・ゆうたろう)2002年(平14)1月22日生まれ、神奈川県出身の21歳。小3から野球を始め、静清(静岡)から中大に進学。中大では1年秋にリーグ戦デビューし通算50試合で7勝10敗。2年秋には最優秀防御率(1.11)に輝いた。憧れの選手はDeNA・山崎。最速149キロ。1メートル80、74キロ。右投げ右打ち。

 ▽東都大学野球連盟からの23年ドラフト指名 東都から7選手がドラフト1位指名を受けた今ドラフト。2位以下の支配下選手ではDeNA5位の石田のほか、同4位の内野手・石上(東洋大)、楽天6位の外野手・中島(青学大)が指名を受けた。また、東都出身の社会人、独立リーグ選手もヤクルト2位の右腕・松本ら5選手が指名を受け、同5位の内野手・伊藤(BC・新潟)は東農大中退。さらに3選手が育成指名を受けており、支配下と育成合わせて東都出身選手は計19人がドラフト指名を受けた。

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