3軍でリハビリ中の広島・秋山、悩める胸中を告白 優勝争い貢献できず「凄く、もどかしい」

[ 2023年8月22日 06:55 ]

広島・秋山
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 右ふくらはぎを痛めて12日に出場選手登録を抹消され、リハビリ生活を送っている広島・秋山翔吾外野手(35)が、悩める心境を語った。離脱するまで開幕から103試合続けて3番でスタメン出場し、現在2位のチームを攻守でけん引してきたベテラン。優勝争いに貢献できないもどかしさを痛感しつつ、早期復帰を焦ってのリスクも熟知しており、葛藤があると吐露した。

 大野練習場でリハビリに励む秋山は、現在の胸中を明かした。

 「どの時期に(登録を)外れてもしんどい。チームから離れること自体、思うところがある。チームを背負ってスタートして、今ここ(3軍)にいるというのは凄く、もどかしい」

 ウエートルームでエアロバイクをこぎ、上半身のトレーニングなどで汗を流す日々。35歳のベテランはチームの中心でけん引してきたからこそ、悔しさと責任を感じていた。

 11日の中日戦。2回の守備の際に右ふくらはぎを痛めた。「前向きで歩くよりも、後ろ向きで歩くほうが楽だなぐらいの感じもあった。プレーを続けていくのは無理だろうなと思ったので、“代えてください”と(新井監督と)話はしました」。翌12日、右下腿ヒラメ筋筋損傷との診断を受けた。同日に出場選手登録を抹消されるまで、開幕から103試合続けて3番打者として先発出場。打率・282、3本塁打、35打点の成績を残してきたが、負傷で離脱を余儀なくされた。チームは上位争いの正念場。早期復帰が理想ではあるものの、何がベストなのかという部分で葛藤がある。

 「チームの順位もあるし、試合がなくなっていくことを考えたら、そこは(早期復帰に向けて)判断しなきゃいけない。でも再発や、他の箇所を含めて影響が出ると、“大丈夫”という言葉を信用してくれなくなる。“無理してくれる”という判断より、“無理をしてしまう”と捉えられる。だから判断だけは鈍らないようにしたい」

 リハビリは段階を踏みながら慎重に強度を上げていく構えで、復帰時期は不透明。7ゲーム差の首位・阪神に食らいつきたい状況下で、最善を尽くして自分の体と向き合っている。離脱の際に新井監督は「しっかり治して、戻ってきてくれ」と声を掛けた。選手と密にコミュニケーションを取り、チームを「家族」と称する指揮官の思いを秋山も理解しているからこそ、「余計に困らせてしまうのは自分としては本意ではない」とくみ取る。

 「まずは体を整えることと、試合を欠かさず見るということは(続けている)。本当は球場に行って見たいぐらいです…」

 試合を見守りながらナインと気持ちを共有。同じグラウンドにいなくても、懸命に戦っている。 (長谷川 凡記)

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