春日部共栄・小林夢行 魅せたランニング本塁打!父・宏之氏はロッテなどで75勝マーク

[ 2023年7月10日 05:00 ]

第105回全国高校野球選手権埼玉大会1回戦   春日部共栄13―0越谷総合技術 ( 2023年7月9日    レジスタ大宮 )

<春日部共栄・越谷総合技術>ランニング弾を含む3安打1打点の活躍を見せた春日部共栄・小林(撮影・田中 さくら)
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 落ち着きがありながら野望を秘める背中。OBである父もマウンドでそうだった。春日部共栄の小林夢行(ゆあん=3年)が「1番・左翼」で出場し、2回のランニング弾を含む3安打。「(本塁打は)柵越えの方がいい」と笑いつつ「自分が流れをつくりたかった」と言った。

 父はロッテ、阪神などで投手として75勝をマークし、ファンに「コバヒロ」の愛称で親しまれた宏之氏。幼い頃から注目されることには慣れている。チームの夏の初陣という大事な試合。2回に左中間を破る打球で一気に生還した。高校通算8本塁打目ながら、2度目となったランニング本塁打。13ー0のコールド勝ちに貢献した。

 スタンドで観戦した宏之氏は「似ていると言われますよ。後ろ姿が最近」と長男の成長に目を細め、投手だった自身とは異なる役割での貢献に「良い内容の打席を増やしてくれているのでうれしい」と言う。父のようになりたいと野球を始めた息子は、最初は同じ投手の道を歩んでいたが中学時代は補欠。父は「打撃が良い」と素質を見抜いていた。本格的に外野手に転向した2年から才能が開花。1メートル83の体格も生かしたパワフルな打撃で打線に不可欠な存在だ。

 初戦を突破した本多利治監督も「一番、伸びた、本当に良い選手」と評価するが、小林が見据える目標はずっと先にある。「父と比較されることもあるけど、自分は自分。父を追い越す選手になりたい」。甲子園出場、そして父のようなファンに愛されるプロ野球選手に――。父からもらった名前のように、夢に向かって突き進む。(田中 さくら)

 ◇小林 夢行(こばやし・ゆあん)2005年(平17)5月25日生まれ、東京都出身の18歳。ロッテなどで投手として活躍した父・宏之氏の影響で野球を始め、東海大高輪台中では市川シニアに所属。春日部共栄では1年時に投手としてもプレー。憧れの選手はエンゼルス・大谷。1メートル83、80キロ、右投げ右打ち。

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