DeNA・バウアー“De”奪首!虎狩り3連勝 燃えた来日最多114球 日本一98年以来の貯金12

[ 2023年6月26日 05:30 ]

セ・リーグ   DeNA5―3阪神 ( 2023年6月25日    横浜 )

<D・神>3回、大山から三振を奪い、吠えるバウアー(撮影・光山 貴大)
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 44日ぶりの単独首位だ。DeNAのトレバー・バウアー投手(32)が25日、阪神戦で6回1/3を投げ7安打3失点で5勝目を挙げるなど、阪神との首位攻防3連戦で3連勝を飾り5月12日以来の単独首位に返り咲いた。今季最多の貯金12は前回リーグ優勝、日本一に輝いた98年以来25年ぶり。リーグ再開最初のカードでライバルを撃破し、悲願の頂点へ突き進む。

 必死に味方を応援した。DeNAベンチの最前列。メジャーでサイ・ヤング賞を獲得した元メジャーリーガーも、高校球児のように必死だった。バウアーは、この試合が持つ意味の大きさを十分理解していた。

 「自分はノーヒットノーランぐらいしないといけないかと思った。でも、いいプレッシャーだ」

 首位・阪神との直接対決。初戦で今永が完投、前日は東が完封して回ってきたマウンド。重圧をプラスにするのが大物らしかった。来日最速にあと1キロと迫る158キロをマークするなど、要所でギアを上げ4回まで2安打無失点。5回に2失点し、5―2の7回は1点を失いさらに1死一、二塁のピンチを招いて降板したが、来日最多の114球を投じ、リードを保ってチームを3連勝に導いた。

 「回の途中で降り悔しかった。最後まで投げたかった。でもJ・B(ウェンデルケン)が助けてくれた。感謝している」。投球には満足しなかったが、メジャー通算83勝の右腕が、優勝への強い思いをナインに植え付けるように熱投した。インディアンス(現ガーディアンズ)時代の16年、ワールドシリーズで2度先発。「優勝争いほど、すべきことに集中する。注目度が高まると、報道とか外的要素の影響が出る。だから自分はストライク先行に集中した。それが優勝するために一番大事なことだ」と最高気温30度の中、回の合間には氷のうを頭に乗せながら役割に徹した。3勝した交流戦では、中4日登板だった14日の日本ハム戦で来日初完投勝利。その後、2軍での調整登板から再び中4日で迎えたこの日、自身6月負けなしの4連勝を手にした。

 初優勝を飾った交流戦から首位・阪神相手のリーグ再開。三浦監督は23日の初戦を前に、ナインに球宴までの21試合での13勝以上をノルマに掲げた。投打がかみ合い本拠地での阪神戦13連勝を飾り、日本一となった98年以来で今季最多の貯金12として首位再浮上。当時の主力だった指揮官の「まだまだ先はある。自分たちのやるべきことをやっていく」という言葉は、バウアーと同じだった。(大木 穂高)

 ▽98年の横浜(現DeNA) 前年2位で7年ぶりのAクラス入りを果たし、権藤博監督が就任。6月に8連勝で首位に立つと、以降は一度も首位の座を譲らず、最終的に79勝56敗1分けの貯金23、勝率.585、2位・中日に4ゲーム差で38年ぶりのリーグ制覇を果たした。守護神・佐々木主浩が45セーブ、防御率0.64でMVP。先発も野村弘樹、斎藤隆が13勝、三浦大輔が12勝を挙げ「マシンガン打線」と呼ばれた打線は打率、得点でリーグトップ。日本シリーズでも西武を4勝2敗で下し、60年以来の日本一となった。

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