松井氏 五輪招致の顔に!野球復活へ名球会も期待

[ 2012年12月30日 06:00 ]

07年、名球会・金田正一会長からブレザーを贈られる松井秀喜

 日本プロ野球名球会の山本浩二副理事長(66=侍ジャパン監督)が29日、現役引退を表明した松井秀喜氏(38=元レイズ)を五輪での野球競技復活と20年東京五輪招致の旗手役に指名した。名球会では野球競技復活に向けて一致団結していく方針を固めており、山本副理事長は名球会員として日米で抜群の知名度を誇る松井氏の協力に大きな期待を寄せた。

 引退表明した松井氏には今後、野球界の発展のための大仕事が待ち受けている。名球会の山本副理事長は「まずはお疲れさまと言いたい。ゆっくりとしてもらいたい」と前置きした上で「名球会は20年の東京五輪招致や野球競技の復活に協力していこうと話し合ったばかり。日米でこれだけの実績を残している選手。大きな枠組みの中で活動してほしい」と訴えた。

 米国時間12日(日本時間13日)、ハワイでの名球会総会で五輪について話し合われた。「日本は世界への発信力が弱い。野球競技の復活と東京五輪招致へ個々ではなく名球会全員で一致団結したい」と王貞治理事長。日本と米国でスター選手となった松井氏の知名度は、名だたる名球会員の中でも群を抜いている。

 野球競技は次回16年リオデジャネイロ五輪での不採用は決定しているが、20年五輪での採用競技は来年9月の国際オリンピック委員会(IOC)理事会総会で最終決定する。五輪での競技復活は野球界の悲願であり、王理事長は活動内容について「具体的なプランは決まっていないが、今後検討していく」と話す。現役時代、五輪やWBCなどの国際大会には縁がなかった松井氏。それでも野球が12年ロンドン五輪での実施競技から除外された際「野球人として、野球がさらに世界に広まっていくことを願っていたのに正直残念」と悲しんだ。野球を世界に広めるため、日本のために今後はスーツを着て動き回ることが求められる。

 07年5月6日マリナーズ戦(ヤンキースタジアム)で日米通算2000安打を達成。当時の名球会の金田正一会長から濃紺のブレザーを授与され「重みがあります」と感慨にふけった。現役時代は名球会イベントに参加したことはなかったが、山本副理事長は「名球会には毎年のように若い選手が入り、活性化している。現役時代は難しかっただろうが、今後は名球会自体の活動も参加してもらいたい」と話した。

 松井氏は引退後の活動について「少しここ(ニューヨーク)でゆっくりしながら考えていきたい」と話したが、周囲の期待は大きく膨らむ。

 ◆松井氏と日の丸 星稜2年時の91年9月に日本選抜に初選出され、米ロサンゼルスで行われた日本、韓国、米国の3国親善野球大会に出場。3年時の92年9月の同大会(韓国・ソウル)では韓国入り後に下痢に悩まされ「打撃どころじゃなかった」と話したが、「4番・三塁」などで出場した4試合全てで安打をマーク。高校通算60本目となる本塁打こそなかったものの、計15打数5安打(打率・333)1打点の成績を残した。

続きを表示

2012年12月30日のニュース