亜大・工藤、崖っ縁からつないだ夢

[ 2009年12月28日 06:00 ]

 己のバット1本で野球人生をつなぎ留めた。亜大の工藤光樹外野手(22)は今秋リーグ戦でリーグ2位の打率・343。満票でDH部門のベストナインを獲得した。

 その活躍でリーグ戦終了後、住友金属鹿島入りが決まった。「最後まであきらめないでやっていれば、いいことがあるんですね。あそこまで打てるとは自分でも思ってませんでした」と崖っ縁だったシーズンを振り返った。
 今春は15打数3安打で打率2割。同期が次々と就職先を決めていく中、工藤の進路は秋のシーズンに入っても未定だった。「焦りはありましたね。正直、春が終わった段階では一般就職に切り替えようかと思ってました」。野球は続けたいが、プレーする場所がない。試合に集中するのも難しい中、9月24日の国学院大3回戦でリーグ戦初本塁打を放つと3試合連続本塁打と爆発。貴重な右の大砲として社会人強豪チームの目に留まった。
 プロという将来の夢もつながった。同期の中田は中日、中原はソフトバンクに入団したが「最初は全然かなわないと思いましたけど、今は負けてないというのはあります」。自分の力で夢をつなぎ留めた。工藤の野球人生はまだこれからだ。

 ◆工藤 光樹(くどう・こうき)1987年(昭62)12月1日、広島生まれの22歳。尾長小2年で野球を始めた時は遊撃手。崇徳3年夏は県大会4回戦で高陽東に敗れた。亜大では4年から外野に転向。リーグ戦通算成績は28試合73打数22安打14打点、打率・301、3本塁打。家族は両親と姉、弟。1メートル83、79キロ。右投げ右打ち。

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2009年12月28日のニュース