中島&坂本が強力タッグ!地元・伊丹に恩返し

[ 2009年12月28日 06:00 ]

子どもたちが見守る中、ロングティーで坂本(左)の投げたボールを打つ中島

 西武・中島裕之内野手(27)が27日、兵庫県西宮市内のビーコンパークスタジアムで「中島裕之ベースボールクリニック」と題した野球教室を行った。特別ゲストとして巨人・坂本勇人内野手(21)も飛び入り参加。ともに伊丹市出身の2選手は、地元での野球教室をオフの恒例イベントとする構えを示すとともに、後継者育成に意欲を見せた。

 豪華なコラボが実現した。地元への恩返しプランは中島がずっと温めていたものだった。そこに同郷の坂本が賛同。両リーグを代表する遊撃手が顔をそろえた。中島が中学時代に所属していた「宝塚シニア」と、坂本が巣立った「伊丹シニア」の選手たちに約2時間、熱心に指導を行った。
 「普段はやる機会がないので、地元で野球教室をやれて良かった。(坂本)勇人も来てくれたので、子供たちは喜んでいたと思いますね」
 打撃部門を担当した中島は、自らマシン相手にフルスイングも披露。1人1人に丁寧にアドバイスを送った。「人それぞれのタイプがある。“型にはまらないで、好きなようにしてええよ”と言いました。変に言って成長の邪魔をしてはいけないので」と、決して押しつける指導ではなく、長所を伸ばすための手助けに徹した。
 「地元に帰って来た時に野球選手を目指す子供たちと接したい。勇人が来てくれるなら、これからもやりたい」と、同じ伊丹出身の坂本とともに、地元の野球少年を指導することを毎オフの恒例行事にする夢を語った。坂本も「プロを目指している子とふれ合えたのはいいこと。地元で縁もあるし、これからもやっていきたい」と答えた。
 6歳差の2人。ともに遊撃手として認め合う仲だ。中島が「ジャイアンツで若い年齢でレギュラー。プレッシャーがある中で結果を残せているのは凄いなと思う」と言えば坂本も「12球団一のショートは中島さんだと思う。僕が目指して超えられるようにしたい。将来的には3番・ショートが格好いいかなと思います」と、あこがれを口にした。
 地元からプロ野球選手の発掘へ。中島と坂本が、故郷での2世育成で野球界を盛り上げる。
 
 <本塁打競争は中島の圧勝>中島が野球教室後に行った本塁打競争で坂本を圧倒した。「シーズン終わってからバットを初めて握った」と言いながら、14本の柵越えを披露。左中間後方に駐車していた車に直撃させると、子供たちから驚きの声が漏れた。一方、坂本は「全然アカン」と柵越えは4本止まりだったが、最後のスイングで特大の一発を放ち、意地を見せていた。

 <マー君も同郷>伊丹市は兵庫県南東部、大阪府との県境にあり、大阪国際空港があることでも有名。なぎなたの中心地としても知られる。プロ野球選手は中島、坂本以外に、坂本と小学校時代「昆陽里(こやのさと)タイガース」でバッテリーを組んでいた楽天・田中がいる。ほかにもオリックス・北川、日本ハム・尾崎、ソフトバンク・山崎らも同市出身だ。女優の南野陽子やお笑い芸人の石田靖、作家の宮本輝氏らとともにいずれも同市から「伊丹大使」に委嘱されている。

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2009年12月28日のニュース