マー君7連勝でストップ…8回4連打KO

[ 2009年6月4日 06:00 ]

<楽・神>8回、3失点で降板した田中将大はベンチで帽子を投げて悔しがる

“神の子”マー君が負けた――。開幕から7戦7勝だった楽天・田中将大投手(20)が3日の阪神2回戦(Kスタ宮城)に先発。7回までわずか1安打の快投を見せたが、8回に4連打を浴びて3失点でまさかのKO。58年の金田正一(当時国鉄)、85年の村田兆治(ロッテ)、04年の岩隈久志(当時近鉄)に続くプロ野球史上4人目の開幕から8戦8勝を逃した。チームも再び交流戦最下位に転落した。

 【楽天2―3阪神】野球の怖さ、1球の怖さをあらためて思い知らされた。完封ペースの快投が暗転したのは8回だった。先頭の桧山を2―1と追い込み、楽天・田中は捕手からのスライダーのサインに大きく首を振った。そして投げ込んだ真ん中外寄りの145キロの直球を右中間にはじき返された。この三塁打は皮切りに4連打で3失点。まさかのKOに、田中は“命取り”となった1球”を唇をかみしめて振り返った。
 「きょうは変化球の調子が良くなかったし、コントロールも悪かった。きょう一番いい、ストレートがいいかなと思って…。先頭を出して自分を苦しくしてしまった」
 野村監督が「4回に、これ完全試合やるんじゃないかとチラッと思ったほどのいい立ち上がりだった」と話したように、5回2死までパーフェクト。6回2死から鳥谷に中越え二塁打を許すまでは無安打投球だった。それだけに指揮官も「首を振って真っすぐいってる。本格派が首を振れば、打者は直球が来ると思う。キャッチャーはいろいろ研究してやってる。“もっと信頼しろ!”と怒ったんだけどね」。その指摘通りに、この日に田中が首を振った後は5球すべてが直球だった。
 ただ、8回の続投は想定外のものだった。右肩の違和感で出場選手登録を外れたこともあり、田中は復帰3戦目となった5月27日の中日戦(ナゴヤドーム)も今季最少の86球で7回降板。この日も首脳陣は最長7回での降板を一応のメドとしていた。だが、皮肉にも接戦と抜群な投球内容に、続投を判断せざるを得なかった。7回に151キロを記録した直球が8回には140キロ台中盤と球威も落ちたのも確か。0点台を保ってきた防御率も1・23となり、ダルビッシュにトップの座を明け渡した。それでも田中は「肩とかひじとかそういう話はどうでもいい」。開幕から7戦7勝と快進撃を続けてきた20歳の右腕は一切の言い訳をすることなく、苦い思いと教訓を胸にしまった。

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2009年6月4日のニュース