尊富士 記録ずくめの初優勝!尊敬する“兄”横綱・照ノ富士から「お前ならできる」背中押され幕尻4人目V

[ 2024年3月24日 16:23 ]

大相撲春場所14日目 ( 2024年3月23日    エディオンアリーナ大阪 )

<大相撲春場所千秋楽>祝勝会が行われるホテルで照ノ富士(左)から水をつけられる尊富士(撮影・奥 調)
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 大相撲春場所千秋楽の取組が24日、エディオンアリーナ大阪で行われ、東前頭17枚目の尊富士(24=伊勢ケ浜部屋)が西前頭6枚目の豪ノ山(25=武隈部屋)に勝って13勝2敗で初優勝を決めた。前日の朝乃山戦で右足首を負傷し、出場も危ぶまれた中での強行出場で気迫の一番を見せた。新入幕優勝は1914年(大正3年)夏場所の両国以来110年ぶりの快挙。初土俵から所要10場所目での優勝は両国の11場所目を抜く史上最速となった。

 館内に歓声がこだました。勝てば歴史的初賜杯となる豪ノ山との大一番。右足首の負傷を感じさせない五分の立ち合い。そこから豪ノ山の圧力に屈することなく前へ出続けた尊富士は、徐々にペースを握り、最後はこん身の押し倒しで110年ぶりの快挙を手繰り寄せた。

 取組後は土俵上で少し表情を崩し万感の表情。場内から「凄いぞ~!」「良くやった!」「尊富士!」「バンザ~イ!」の大歓声と、割れんばかりの大拍手を浴びながら花道を引き揚げた。花道では関係者が涙する中、笑顔で握手や熱い抱擁を交わしていた。

 部屋頭で、尊敬する横綱・照ノ富士が先場所に優勝した際に「自分もこの景色が見たい」と語っていたが、実際に偉業を成し遂げ「まさかできるとは…」とはにかんだ尊富士。支度部屋では「気力だけだと思いました。もうやるしかないので。昨日歩けなくて駄目だと思ったけど、横綱から“お前ならできる”と言われたのでそのおかげです。師匠からは“やめとけ”と言われたけど、これで後悔したら一生悔いが残ると思って土俵に上がりました」と明かした。

 【尊富士の記録ずくめの優勝】

 ☆新入幕 1914年(大正3)夏場所の両国以来、110年ぶり。

 ☆平幕 2022年九州場所の阿炎以来で37人目。

 ☆所要 10場所目は両国の11場所目を抜き史上最速。年6場所以降でも貴花田、朝青龍の24場所目を大きく更新するスピード優勝。

 ☆日大 2001年秋場所の琴光喜以来。学生相撲出身では2022年春場所の若隆景(東洋大)以来11人目。

 ☆鳥取城北高 琴光喜、照ノ富士、逸ノ城に次いで4人目。

 ☆青森県 1997年九州場所の貴ノ浪以来11人目。初代若乃花(10回)、鏡里、2代目若乃花、隆の里(以上4回)ら県勢として38度目。

 ☆伊勢ケ浜部屋 備州山、照国、清国、日馬富士、照ノ富士に次いで6人目。部屋としては先場所の照ノ富士に次いで2場所連続23度目。

 ☆同部屋連覇 同じ部屋から異なる力士の連続優勝は、1999年九州場所、2000年初場所の武蔵川部屋(武蔵丸、武双山)以来。

 ☆幕尻 貴闘力、徳勝龍、照ノ富士に次いで4人目。

 ☆十両、幕内連続 1914年夏場所の両国以来2人目。

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