【ラグビーW杯】サモア戦まで中10日 なぜ長い 大会日程の謎

[ 2023年9月20日 17:15 ]

ラグビーW杯フランス大会1次リーグD組   日本―サモア ( 2023年9月28日    トゥールーズ )

<日本・イングランド>善戦したものの最後は大差をつけられて敗れた日本代表(撮影・篠原 岳夫)
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 日本代表は20日、現在滞在中のモナコで、1次リーグ第3戦のサモア戦(28日、トゥールーズ)に向けて練習を再開する。12―34で敗れた17日のイングランド戦後は18、19日と丸2日、休養。イングランド戦からサモア戦までは、実に中10日の間隔となる。そしてサモア戦から10月8日のアルゼンチン戦も中9日の間隔がある。

 なぜラグビーW杯は、こんなにも試合間隔が長いのか。

 21年2月、国際統括団体ワールドラグビー(WR)は選手のウェルフェアを考慮し、23年に開催される今大会の日程を1週間延ばすことを発表した。元々は9月8日の開幕~10月21日の決勝(閉幕)まで、開催期間43日間の計画だったが、決勝が10月28日と1週間延び、開催期間は50日間になった。これに伴い1次リーグの試合日程が緩やかになり、出場全20チームに、最低でも中5日の試合間隔を確保している。

 日本の場合は初戦のチリ戦からイングランド戦までが中6日だった。試合間隔としては、過去9大会を含めて最も恵まれている。19年大会も最も短い試合間隔が2度の中6日。1次リーグ最終戦だったスコットランド戦は、相手が中3日であり、開催国として最大級の恩恵を受けた。一方で15年大会では、世紀の番狂わせを起こした初戦の南アフリカ戦から第2戦のスコットランド戦まで、わずか中3日しかなかった。試合翌日もブライトンで軽めの調整と取材対応を行い、さらに翌日には早くもメンバー発表してからバス移動。チームにはイケイケどんどんの雰囲気が漂っていたが、試合では心に体が全く追いつかなかった――。そんな内容で大敗した。

 かつては日本も下の階層の国として、割を食ったW杯の日程問題。大会期間が1週間延び、かつては伝統国や上位階層に有利だった偏向的な日程はほぼ解消されたが、それでも試合間隔にはバラつきが残ったままだ。これは1次リーグが各組5チームと、奇数になっていることが理由。9月8日の開幕から3日間は計8試合が行われたが、16チームが初戦を終えた一方、残りの4チームは出番を待たされていた。

 根本的な解決には、1次リーグのチーム数を偶数にする必要がある。99年に参加国数がそれまでの16チームから20チームに拡大された大会では、実は4チーム×5組で1次リーグが行われた。各組1位が自動的に準々決勝に進出し、各組2位と3位で最も勝ち点の多いチーム(アルゼンチンだった)がプレーオフ(PO)に進出。これに勝った3チームが準々決勝に進んだわけだが、POからの試合間隔は中3日で、全3チームが8強止まりだった。

 20チームで争われるようになって、今回が7度目の大会。17日までに行われた計16試合の中には、大差が付いた試合も散見され、現状でさらに実力格差が広がる24チーム化への目立ったうねりはない。試合のない日が増え、やや間延びした大会日程を継続するのか、全く別の方法で選手にもファンもウィン―ウィンの方式に改善するのか。

 節目の10回目を迎えた大会は、次のフェーズの針路が求められている。

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