【二所ノ関親方 真眼】照と錯覚…理想的な前傾姿勢の熱海富士、日頃の稽古のたまもの

[ 2023年9月20日 04:30 ]

大相撲秋場所10日目 ( 2023年9月19日    両国国技館 )

高安(右)を押し倒しで破る熱海富士(撮影・吉田 剛)
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 新入幕時には4勝しか挙げられなかった熱海富士が、再入幕でここまでやるとは夢にも思っていませんでした。1敗同士の大一番。一瞬、照ノ富士が取っているのでは?と錯覚するような完璧な内容でした。

 熱海富士は相手の左を殺しながら右を固め、しっかりと力を相手に伝えることができていました。さすがの高安も上体が上がってしまい、2度はたいて墓穴を掘りました。

 今場所の熱海富士は大きな体格にもかかわらず前傾姿勢が取れて、腰も割れている。理想的な体勢を保っています。体を丸めることは簡単ですが、腰から前傾姿勢を保つのは日頃の稽古のたまもの。角界きっての稽古量を誇る伊勢ケ浜部屋で精進した成果が実を結びつつあります。

 単独トップに立ち、これからは上位との対戦が予想されます。気負う必要もないし、稽古場でやっている相撲を取るだけ。前さばきもうまく、パワーを存分に伝える技術を習得したとあれば、最後まで楽しませてくれそうな予感がします。(元横綱・稀勢の里スポニチ評論家)

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