東京国際大の日本人エース・丹所 コース熟知した地元3区志願で“湘南乃風”になる

[ 2021年12月27日 06:10 ]

箱根のキーマン(1)

箱根駅伝へ意気込みを語った東京国際大・丹所    
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 第98回東京箱根間往復大学駅伝は来年1月2日に往路、3日に復路が無観客で行われる。今回も有力校の力は拮抗(きっこう)しており、例年以上の混戦が予想される“超・戦国駅伝”。その中で、チーム浮沈の鍵を握る注目ランナーたちを5回にわたって紹介する。第1回は出雲駅伝で初出場初優勝し、箱根路の初制覇も狙う東京国際大の日本人エース丹所健(3年)だ。

 3区のコース沿いにあたる神奈川・戸塚出身の丹所が“湘南乃風”になる。過去2度はスタートの1区を任されたが、今回は地元を走る3区を志願。他大学からもマークされる日本人エースは「地元を走る箱根駅伝を一番の目標にしている。気持ちの入れ方は出雲、全日本とは違いますね」と爆走を約束した。

 実家から近い国道1号線を走る箱根駅伝は、子供の頃から憧れだった。神奈川大のエースだった男子マラソン日本記録保持者の鈴木健吾(現富士通)が2区を走った姿に「格好良かった。箱根を走りたいと思った瞬間だった」と中学生の頃を回想する。

 当時から“仮想箱根”としてコースを走った。緊急事態宣言下の昨年、帰省したときも国道1号線沿いを走るなど、誰よりもコースを熟知している。「3区は下りだったり坂だったり、頭の中にコースが思い描ける。自分にとってはホームグラウンド」とし「高校時代の恩師も来ると思うので、応援を力に変えて恩返ししたい」と意気込んでいる。

 湘南工大付高時代は全国大会出場経験はなく、南関東大会5000メートルで11位となったのが目立つ程度。突出した選手ではなかったが、大学の先輩で東京五輪男子1万メートル代表の伊藤達彦(ホンダ)の存在が潜在能力を引き出した。合宿で2人部屋になると、足を痛めていた伊藤が予想以上に距離を走っていたことに驚いたという。「自分が昼寝している時間を、伊藤さんは超音波とか足のケアに費やしていた。そういう意識は参考になった」

 伊藤の練習メニューが指標となり、追いつこうと努力した結果、エースと呼ばれる実力を身に付けた。「ここまで成長できるとはまったく思っていなかった。地元のためにも、チームのためにも頑張りたい」と準備万端を宣言した。

 ◇丹所 健(たんしょ・けん)2001年(平13)2月7日生まれ、神奈川県横浜市出身の20歳。神奈川・平戸中時代に陸上競技を開始。湘南工大付高から東京国際大に進学。箱根駅伝は2年連続1区(1年13位、2年14位)を経験。今年の全日本大学駅伝の6区で自身初の区間賞を獲得した。母親がコロンビア出身で、現在はスペイン語を勉強中。自己ベストは1万メートル28分19秒17。1メートル77、63キロ。

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2021年12月27日のニュース