森喜朗会長が辞任 女性蔑視発言受け あす12日表明へ 後任人事も最終調整

[ 2021年2月11日 12:24 ]

東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長
Photo By スポニチ

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長(83)が辞任することが11日、分かった。自民党幹部に伝えた。後任人事についても最終調整に入っている。12日に都内で開催される組織委員会の評議員会・理事会合同懇談会で表明するとみられる。

 森会長は3日に開かれた日本オリンピック委員会(JOC)評議員会の最後にあいさつし、「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかる」となど発言。女性蔑視で五輪・パラリンピックの精神にも反すると猛烈な反発を呼び、4日の会見では「不適切」として謝罪し、発言を撤回した。その後も国内外で辞任を要求する声が続出したが、森会長は東京五輪開催へ政財界の協力を取りつけ、国際オリンピック委員会(IOC)など海外との交渉にもあたった中心人物であり、新型コロナウイルスの影響で今夏の開催も不透明な状況から、政府・与党やJOC、組織委内から辞任を求める意見は挙がっていなかった。

 しかし、森会長の謝罪会見を受けて4日に「問題は決着した」と声明を発表していたIOCが9日に「森会長の最近の発言は完全に不適切でIOCのコミットメントと(大会を見直す)五輪アジェンダ2020の改革に矛盾している」と一転、手のひら返しで批判。10日には五輪・パラリンピックの最高位スポンサーであるトヨタ自動車の豊田章男社長が「誠に遺憾だ」とのコメントを発表するなどスポンサーからも非難の声が上がり始めた。東京五輪へ結束を固めるため、17日にはIOC、政府、東京都、組織委の4者によるトップ会談が予定されていたが、小池百合子都知事が10日に「今ここで4者会談をしてもあまりポジティブな発進にはならないと思う」と出席しない意向を示すなど、四面楚歌の状態となっていた。

 五輪の準備段階で最大の功労者とされる森会長が辞任を表明すれば、組織委は後任を置いて大会開催へ準備を進めることになるが、開催の可否、観客数削減や無観客開催の可能性、新たな新型コロナウイルス対策など大きな判断が必要となる課題は山積している。自ら交渉役としてさまざまな難局を切り開いてきた森会長を失えば、1つ1つの交渉がスムーズに運ばず、開催への障害となる可能性も否定できない。

続きを表示

2021年2月11日のニュース