森会長 後任選びでも政治手腕発揮 川淵氏「もらい泣きしちゃって…外堀埋められた」

[ 2021年2月11日 22:31 ]

自宅前で報道陣の質問に答える川淵三郎氏(撮影・河野 光希)
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 東京五輪・パラリンピック組織委員会の新会長就任が決定的となった川淵三郎氏(84)が11日、千葉市内の自宅前で報道陣の取材に応じ、女性蔑視発言で辞意を固めた森喜朗会長(83)の“政治手腕ぶり”を明かした。

 前夜に弁護士の境田正樹氏を通じて面会の打診を受けた川淵氏は、「会長(就任打診)の話もなくはないかなと、半分思った」と警戒。家族にも反対されたことから、森氏後任の腹案を練って、この日の面会に臨んだという。

 ところが本人と会う前に、境田氏を含む関係者2人と会談。その席で森氏の家族が心を痛めていること、森氏が自宅では涙を流すほど憔悴(しょうすい)しきっていることなどを明かされ、「もらい泣きしちゃって」。安倍晋三前首相、菅義偉首相、小池百合子東京都知事らにも既に根回しが終わっていることも明かされ、「外堀が埋まっていて、断るような状況じゃなかった」と観念したことを明かした。

 その後、面会の場所に登場した森氏は「凄くお元気で、いつも通り」だったという。そして、ほぼ開口一番で「何とか後を引き受けてほしい」と打診され、川淵氏も二つ返事で受諾したという。

 首相や自民党総裁を歴任し、19年ラグビーW杯招致でも主導的役割を果たした森氏の調整力や根回しといった政治手腕が今回も発揮された形。川淵氏も「僕が“勘弁して下さい”とか言うのは、時既に遅しだよ。本当に主たる人たちに全部相談してもらっているわけだから」と舌を巻いた。

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2021年2月11日のニュース