しぶこ育てた名コーチ・青木翔のらくらく上達講座(5)

[ 2020年2月7日 12:00 ]

1つ目のポイント「アドレスした時に左手が低い位置にくるクロスハンドで握る」を解説する青木翔コーチ
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 渋野日向子のスイングコーチを務める青木翔氏の特別レッスン。スイングの基礎づくりの最終段階となる第5回のテーマは、上体の前傾角度をキープしたままボールを打つドリルです。これまで説明したドリルと比べると、実践するのが大変だと感じるかもしれませんが、根気よく続けられるかどうかで、上達の幅が大きく変わります。最初の第1段階に戻って繰り返し何度も練習すれば、確実にレベルアップします。途中であきらめず、ものにしましょう。

 アベレージゴルファーがミスをする要因として、ダウンスイングからインパクトにかけての起き上がりが挙げられます。これは、ボールをすくい打つ意識が強い人ほど顕著に表れる動きです。

 と言うのも、ボールをすくい打つと、手首のコックを早めに解いてしまうため、クラブヘッドがボールに当たる前に地面にぶつかります。それを本能的に分かっているので、上体を起こすことによって調整するからです。

 しかも、インパクト前にロフトが寝てしまうため、そのクラブが持つ飛距離を引き出せないというデメリットもあります。スイングの理想を言えば、アドレスからインパクト以降まで上体の前傾角度を変えないことです。

 実際にやってみると分かりますが、かなりお腹に負荷がかかります。したがって、上級者でも上体を浮かせてしまう人は少なくありません。ただ、インパクトでクラブフェースをボールに対して合わせるのがうまいため、ミスになりにくいだけです。

 そこで今回は、上体の前傾角度をキープするためのドリルを紹介します。スイングづくりの基本ドリル第5弾です。これが最終段階になります。過去の4回と比べてさらに難易度がアップしていますが、マスターできれば確実に上達できるだけに頑張りましょう。

 手順ですが、まずクラブをクロスハンドに握ります。通常はアドレスしたときに右手が低い位置にありますが、クロスハンドでは左手が低い位置にきます。バックスイングではお腹を回すことでクラブを上げ、ダウンスイングでもお腹を回すことでクラブを下ろします。右腰から左腰までの振り幅でいいので、上体が起き上がらないようにするのがポイントです。

 ハンドファーストインパクトでボールを打てるので、キャリーが落ちることもありません。

 おそらく手首を使い過ぎている人は、空振りやトップなどのミスが出ることでしょう。ドリル自体はかなり苦しいと感じるかもしれませんが、普段から上体の前傾角度を変えずに打っている人は、少しも苦しいとは感じません。何事も慣れるまでが大変だと考えて下さい。どうしても起き上がってしまう人は、最初にインパクト後の形をつくり、この位置に両手を持ってくるんだと意識して打つといいでしょう。

 また、クラブをクロスハンドで極端に短く持ち、グリップ部分が左の脇腹に当たるように構えます。そのままグリップ部分が左の脇腹から離れないように素振りします。このイメージで先ほどのドリルを行うと、ハンドファーストに打つイメージが出てきます。最初は10ヤード、20ヤードを目標にして、慣れてきたら、50ヤードまで10ヤード刻みで伸ばしていきましょう。(取材協力=兵庫・樫山ゴルフランド)

 ◆青木 翔(あおき・しょう) 1983年(昭58)3月28日生まれ、福岡県出身の36歳。福岡大卒。11年からジュニアの指導を行い、12年に「AOKI SHO GOLF ACADEMY」を設立。USGTF公認ティーチングプロ資格保持。ジュニアやプロ育成に注力し、18年から渋野日向子とコーチ契約を結ぶ。家族は夫人と長男。1メートル81、77キロ。

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