貴景勝 大関1勝、突き3発で遠藤圧倒 新時代幕開け

[ 2019年5月13日 05:30 ]

大相撲夏場所初日   ○貴景勝―遠藤● ( 2019年5月12日    両国国技館 )

遠藤(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・郡司 修)
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 令和最初の本場所で新大関・貴景勝が遠藤を押し出し、白星スタートを切った。白鵬の休場で一人横綱となった鶴竜は小結・御嶽海を難なく押し出し好発進。大関・高安は琴奨菊に一方的に押し出された。大関から転落した栃ノ心は千代大龍を寄り切り、返り咲きに向けて好発進した。

 土俵下に落ちる遠藤を、余裕たっぷりに見送った。貴景勝は立ち合いから3発目の突きでのけ反らせ、一瞬で距離を詰めて力強く押し出した。「新たな時代に入ったので、もう一回相撲を始めた頃に戻って、新鮮な気持ちでやりたい」と息をついた。

 土俵に上がる前にはアクシデントもあった。出番を待つ花道で、鼻から出血。ティッシュを詰めて応急処置をしたが、それでも流れてくる血をすすって我慢した。「相手に分かっちゃうとアレだから」。敵に悟られないように表情一つ変えず「初めて」という緊急事態を乗り越えて、新大関初日を切り抜けた。

 過去10年で新大関の2桁勝利は白星発進のみだ。優勝した栃東、白鵬も初日は白星だった。06年夏の白鵬以来となる昭和以降7人目の新大関Vへ「もちろん目指している」と力を込めた。

 両親が観戦した中で最高の勝利だった。母の日のプレゼントは小4の時にカーネーションを贈ったきりだが、「相撲を頑張ること。勝つこと。プロだし本場所に入ったら雑念も捨てないといけない」と白星を贈り、会場を出てから両親に笑顔も届けた。

 自身がプロデュースした「貴景勝弁当」は用意した140個が午前11時に完売となるなど人気も抜群。2日目は過去2勝2敗の琴奨菊戦。「まだ15日間で1日終わっただけ。15日の壁があって一つ一つ壊していくだけ。先場所より成長した自分が出せれば」と言葉に力を込めた。

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