【高野進の目】サニブラウン 粗削りも開花し始めた天性の“才能”

[ 2019年5月13日 08:04 ]

陸上 米大学南東地区選手権 ( 2019年5月11日    米アーカンソー州フェイエットビル )

男子100メートル決勝で9秒99をマークして優勝したサニブラウン
Photo By 共同

 9秒台もサニブラウンにとっては驚くことではなかったと思う。達成したというより、故障も癒えていよいよスタートを切ったという感じではないか。

 フォームは彼の特徴が出ていた。顎が軽く上がって上半身のひねりを生かし、腕振りでストライドを稼ぎ出していた。少し体のブレもあったが、足の運びもナチュラル。粗削りなところもあるが、無駄に後ろに蹴り上げないし、天性のスプリント力が花開きつつある。これからはそこに何をプラスしていくのかが大事になる。

 リレー代表入りも期待されるが、一ファンとしては200メートルも強いしアンカーかなと思う。バトンパスは修正が必要になるが、これからは鉄板メンバーを組んで五輪を目指してほしい。山県を入れて日本には実質9秒台が3人いるようなもの。世界で金メダルを狙うといっても全くむちゃな目標ではない。(男子400メートル日本記録保持者、92年バルセロナ五輪8位、東海大体育学部教授)

続きを表示

この記事のフォト

2019年5月13日のニュース