貴景勝 白鵬自力V消した!過去3戦全敗の横綱に完勝

[ 2019年1月26日 05:30 ]

大相撲初場所13日目 ( 2019年1月25日    両国国技館 )

<初場所13日目>白鵬(下)を突き落とし破る貴景勝(撮影・久冨木 修)
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 新関脇・貴景勝が白鵬から値千金の白星を挙げた。通算4度目の対戦にして初めて最強横綱を沈めて10勝目。鮮やかな突き落としで逆転優勝と大関昇進に近づく価値ある勝利を飾った。14日目に3敗の貴景勝と白鵬がそろって敗れ、単独トップの玉鷲が勝つと初優勝が決まる。

 ついに分厚い壁を突き破った。貴景勝が過去3戦全敗の最強横綱を完璧な突き落としで土俵にはわせた。今場所初の結びの一番。つかんだものは大きな意味を持つ白星だ。初めて白鵬を倒した日に新関脇で2桁勝利に乗せ、「本当に気持ちでいこうと思った。持っている力を出し切ろうと。出し切ったかなと思います」と息をついた。

 完勝だった。立って左から攻める白鵬を頭でぶつかり突き放す。同じ動きを3度繰り返した次の瞬間、体を開いて左の突き落とし。先場所も勝負どころで決まった必殺技がさく裂した。白鵬戦を前に「何一つ勝ってない」と話しながら「唯一、気持ちだけは心の持ちよう。それだけ考えていった」と強い気持ちが横綱をのみ込み、逆転優勝に望みをつないだ。

 大一番でも慌てない精神力。初優勝の経験が生きている。「(先場所は優勝を)意識しないようにしていたけれど、いい意味で投げやりになっている」。かつて優勝41度の白鵬が「メンタルが強い人なんていない。(強い人は)コントロール(できる)」と話したが、苦しんだ末に賜杯を抱いた15日間が、22歳の心を成長させ、この日の一番にも生きた。

 偉業も見えた。大関昇進の目安となる“三役で直近3場所の合計33勝”まで1勝。阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「残りの相撲を見せてほしい」と慎重だが、新関脇で大関に昇進すれば1936年夏場所の元横綱・双葉山以来、約83年ぶりとなる。22歳の若武者は「いきなり頑張っても強くなれない。気持ちだけ強く持っていく」と落ち着いた表情からは気迫がみなぎっていた。

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2019年1月26日のニュース