12・1クラロワ世界一決定戦 日本代表支えるフチのスカウティング

[ 2018年11月29日 05:30 ]

スカウティングでチームを支えるフチ
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 モバイルゲーム「クラッシュ・ロワイヤル」(クラロワ)のeスポーツ「クラロワリーグ 世界一決定戦」が12月1日、千葉・幕張メッセで開催される。同リーグは今季から創立。北米、ラテンアメリカ、欧州、中国、アジアの5リーグの代表チームと、開催国枠として日本代表のポノススポーツが頂上決戦に臨む。同チームの選手たちの意気込みや横顔を紹介する3回連載、第2回はフチに迫る。

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 8月から約2カ月間にわたって行われたアジアリーグのシーズン2。ポノススポーツの5選手のうち、フチの出場セット数は最少の4にとどまった。レギュラーシーズンを快進撃で駆け抜けたチームと、その足跡ともいえる記録に現れた“異変”。昨年の日本一決定戦で優勝した実力者に何が起こっていたのか。世界一決定戦を前にして、本人がその理由を明かした。

 「自分は対戦相手の分析をしていました。チームにアナリストは必須。誰かがやらなくてはいけないことだし、そういう作業には向いている方だと思います」

 対戦チームや選手のデッキ、BANカードの傾向、世界のトップレベルの戦いの動向…。動画や海外サイトをソースとして、膨大なスカウティングを率先して引き受けている。毎日のチーム練習でも仲間がスマホをにらむかたわらで、フチがパソコンを開いて関連データを伝えるのが日常風景となりつつある。「自分は前に出るタイプじゃないので」とユーモアを交えながらも、選手として試合に出場したい気持ちはいったん封印。監督兼選手のみかん坊やらに貴重な情報を提供する役割に徹する。

 日本代表として出場した昨年の世界一決定戦で、試合に臨む前の準備の重要性を痛感した。世界屈指のエリート軍団ノヴァイースポーツ(中国)は、フチの公開練習のデッキやBANカードまでも観察していたという。「昨年は初戦で負けたので、その後も勝ち上がった他国の選手のプレーを見続けなければいけませんでした。あのつらい思いは、仲間にはさせたくないです」。専従のアナリストがいる海外チームも多い中、互角に立つために最新データを収集・分析し続けている。

 今回の世界一決定戦までのスカウティングでは、自らが率いるクラン「トレジャーハンター」の協力も仰いでいる。英語やスペイン語の海外サイトの情報を読みこなせる人材もいて、国内屈指の強豪クランのメンバーたちから的確なリポートを提供してもらっている。「ボクが一人でできることなんて限られています。いろんな人たちの力を借りて、世界一決定戦に向けてフル稼働します」。ポノススポーツを主役とした“オールジャパン”の総力戦。し烈な情報戦の要にフチがいる。(内匠 俊頌)

 ◆フチ 1994年(平6)1月25日、千葉出身の24歳。趣味は読書。好きなカードはファルチェ。

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