告発「全部ウソ」塚原夫妻が全否定 18歳宮川と全面対決へ

[ 2018年8月31日 05:30 ]

30日午後11時40分頃、都内の自宅に戻った塚原副会長(撮影・森沢裕)
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 体操女子の宮川紗江(18)からパワハラ告発を受けた日本協会の塚原千恵子女子強化本部長(71)が30日、都内で取材に応じ、パワハラ行為を全面否定した。同じくパワハラを告発された夫の光男副会長(70)も、報道陣に宮川発言はうそとバッサリ。日本協会は第三者委員会で調査することを決定したが、塚原夫妻と宮川サイドの主張が真っ向対立する事態となった。

 18歳の主張を全面的に否定した。塚原千恵子女子強化本部長は、「宮川選手の主張にはうそもある。高圧的な話し方はしていない」などと反論。日本協会がパワハラの有無を第三者委員会の調査に委ねることを決めた後に、渦中の71歳が吠えた。

 前日(29日)の会見で、宮川は2020年東京五輪強化プロジェクト参加を拒んだことで、16年12月19日に塚原強化本部長から自宅に電話があり、「五輪に出られなくなるわよ」と圧力をかけられたと訴えた。脅迫に近い内容と判断し、宮川は家族らと相談し、日付と内容をメモに残したという。同強化本部長は発言の時期は一致しないものの、成績が振るわなかった際に「このままでは五輪にいけない」と奮起を促す意味で話したとし、「言葉が切り取られている」と主張した。

 自身が指導する朝日生命への勧誘も否定。宮川に対する暴力指導が発覚した速見佑斗コーチを調査するため、7月の味の素ナショナルトレセン(NTC)での合宿から同コーチを外した際に、「練習場に困るから(他に指導者がいる朝日生命も)使ってもいいと私の付き人から言った。親切心で、勧誘するつもりはない」と話した。

 速見コーチが宮川を1時間以上立たせた場面も目撃しているという。「私のところに(暴力の)苦情が来たら責任者としてやらざるを得ない」と協会に迅速な対応を求めた。聞き取り調査で当初、宮川は暴力を否定したが、「他の証言もあったので誘導していない」とし、コーチ4人と選手3人が証言したという。

 この日の朝、塚原光男副会長は報道陣に対し、宮川発言を「全部うそ」と断言。第三者委員会の調査が始まってもいない段階での不用意なコメントに、具志堅幸司副会長は「非常に残念な言葉。言うべきじゃない言葉だった」とし、「18歳がうそをつくとは思わない」とまで話していたが、妻の千恵子女子強化本部長まで宮川発言をうそとする事態となった。

 塚原夫妻は31日、代理人弁護士を通じ見解を発表する。暴力指導をしていた速見コーチが無期限登録抹消となったことに端を発する今回の大騒動。宮川サイドと塚原夫妻が、全面対決に突入した。

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