全米OP主審が選手に助言!?敗れた選手は憤然「彼はコーチじゃないだろ」

[ 2018年8月31日 08:00 ]

全米オープン男子シングルス2回戦、エルベールに逆転勝ちしたキリオス(AP)
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 30日に行われた全米オープンの男子シングルス2回戦、ニック・キリオス(オーストラリア)とピエール・エルベール(フランス)の試合で、主審の“過剰介入”が問題となった。

 試合はエルベールが第1セットを取り、第2セットも3―0とリード。厳しい暑さのせいもあってキリオスは集中力を欠いた緩慢プレーが目立っていた。ここで突然、主審のモハメド・ラヒヤニ氏が審判席から降り、コートチェンジの間にベンチの前でキリオスに話しかけた。

 試合後に主催の全米テニス協会が発表したところでは、キリオスが治療が必要な状態ではないかを確認した上で、無気力なプレーが続けば警告などの措置を取ると伝えたのだという。ただし実際には激励するような言葉もあり、主審の越権行為とみられても仕方のない行動だった。しかもここからキリオスが復調。集中力を取り戻して4―6、7―6、6―3、6―0で逆転勝ちしたため、なおさら問題視された。

 キリオスは「サッカーや他のスポーツだって、選手が荒れてきたら“次は警告取るぞ”って注意する。あれと同じだよ。よく聞いてなかったし、あれで助けられたわけでもない」と肩をすくめた。主審が勝手に話しかけてきただけでキリオスに否はない。ただし敗れたエルベールも納得がいかなかった。

 「主審がイスから降りてニックと話し始めたんでびっくりした。彼はコーチじゃないだろう?」と不満をあらわにし、「試合後に映像で確かめた。“君を助けたい”って言ってたのが聞こえたけど、主審がわざわざ降りていって伝えることじゃない」とまくし立てた。

 勝つと負けるとでは、ランキングポイントはもちろん賞金も6万3000ドル(約700万円)も差が出る。エルベールは「勝ったのと同じ賞金をもらえるかな。それなら公平かもしれない」と笑って悔しさを紛らわせた。

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2018年8月31日のニュース